講師の安永愛香氏は言います。保育園で「にんげん力」を育てたいと…。その「にんげん力」を育てるためには「ゼロを1に変える力」が必要だと…。ゼロを1に変える力とは?

昨年ちょっと札幌青年会議所の事業に関わった関係からでしょうか、表記講演会の案内のメールが入りました。
教育講演会という文字に私の中の血が騒ぎ8月1日(日)午後、ホテルさっぽろ芸文館(中央区北1西12)で開催された講演会に参加しました。
講師の安永愛香氏は関東圏で25もの保育園を経営する敏腕経営者です。
その安永氏が経営する保育園が今注目を浴びているというのです。
それは安永氏の保育園経営が「預かる保育から育てる保育へ」という理念の下、これまでの保育園のイメージを変えるほどの実践を次々と打ち出し、そのことが保護者から大きな支持を得ているというのです。

講演で語られた全てを紹介するのは難しいですが、その一端を紹介すると…。
安永氏の経営する保育園での園児の日課は次のようなものです。
①雑巾がけ
②座禅(1分)
③畑仕事
④ヤギの世話
⑤外遊び
およそ普通の保育園とはイメージが全く違います。その一つ一つに意味があるようなのですが、これらのことを安永氏は上から命令して行わせているのではなく、保育士たちと話し合いながら決定していったということなのです。
安永氏は子どもを育てるとともに、保育士も育てたいと考えているとのことでした。
さて、「ゼロを1に変える力」とは?
紹介した以外にも安永氏の経営する保育園ではさまざまな自然体験を積極的に取り入れています。その一つに「米つくり体験」をさせているとのことです。都会にある保育園ですが、地方に田んぼを借りそこへ園児をバスで連れて行って、田植えから稲刈りまで体験するそうです。
その体験の中で園児が「ゼロから1に変わる」瞬間を目撃したというのです。少し長くなりますが紹介します。
保育園で稲刈りを行ったときのことです。園児たちは鎌で稲を刈っていきます。
五歳児たちは経験しているので自分たちでやらせます。先生たちは園児たちを見守りながら刈った稲を干していたそうです。
三十分くらい黙々と稲刈りをした五歳児たちの後ろには一か所に大きな稲の山ができました。
するとある園児が「ちょっと待って!」とみんなに声をかけて、話し合いが始まりました。その様子を見守っていると「私たちずっと刈った稲をここに置いているけど、向こうで先生たちが干しているじゃん。そこまで運ばないとダメじゃないの」とその子が言ったのです。するとみんな「そうだね、そうだね」と言って「誰ちゃんと誰ちゃんはあそこまで運んで、その先は誰ちゃんと誰ちゃんが先生のところまで運んで、それを束にして先生に渡す係は誰ちゃんと誰ちゃん。その先は自分たちにはできないから先生にやってもらおう」と自分たちで役割分担を話し合ったということです。
日常から自分たちに生起した課題を自分たちで相談し、考えるように仕向けてきた成果が表れた瞬間だったと安永氏は語ります。
稲刈りの場面で、自分たちで問題に気付き、やり方を考え、新しいやり方を生み出した。こうしたことが人生を生きていく上で必要な力(「にんげん力」=「ゼロを1に変える力」)ではないかと安永氏は主張しました。

公的教育機関に在籍し、プレイヤーとしてマネージャーとして勤めた経験から安永氏の実践について考えてみます。
安永氏のような私的機関(私企業)と公的機関の決定的な違いは、人事考査において公的機関が減点主義なのに対して、私的機関は得点主義(成果主義)であるところにあると私は思っています。
減点主義の世界においては、プレイヤーもマネージャーも保守的、安全主義的にコトを処そうとします。対して得点主義の世界では良かれと思うことに対して積極的にチャレンジしていこうとします。この違いは相当に大きいと私は思っています。
しかし、公的機関といえどもいつまでも易きところ胡坐をかいている時代ではありません。保護者の目、国民の目が厳しくなっていることを自覚すべきでしょう。
私的機関の積極的なチャレンジで得られた成果を検証し、見習うべきことは見習い、良き実践は積極的に取り入れていく姿勢を持つべきではないかと私は考えます。
全ては未来を担う子どものために…。

昨年ちょっと札幌青年会議所の事業に関わった関係からでしょうか、表記講演会の案内のメールが入りました。
教育講演会という文字に私の中の血が騒ぎ8月1日(日)午後、ホテルさっぽろ芸文館(中央区北1西12)で開催された講演会に参加しました。
講師の安永愛香氏は関東圏で25もの保育園を経営する敏腕経営者です。
その安永氏が経営する保育園が今注目を浴びているというのです。
それは安永氏の保育園経営が「預かる保育から育てる保育へ」という理念の下、これまでの保育園のイメージを変えるほどの実践を次々と打ち出し、そのことが保護者から大きな支持を得ているというのです。

講演で語られた全てを紹介するのは難しいですが、その一端を紹介すると…。
安永氏の経営する保育園での園児の日課は次のようなものです。
①雑巾がけ
②座禅(1分)
③畑仕事
④ヤギの世話
⑤外遊び
およそ普通の保育園とはイメージが全く違います。その一つ一つに意味があるようなのですが、これらのことを安永氏は上から命令して行わせているのではなく、保育士たちと話し合いながら決定していったということなのです。
安永氏は子どもを育てるとともに、保育士も育てたいと考えているとのことでした。
さて、「ゼロを1に変える力」とは?
紹介した以外にも安永氏の経営する保育園ではさまざまな自然体験を積極的に取り入れています。その一つに「米つくり体験」をさせているとのことです。都会にある保育園ですが、地方に田んぼを借りそこへ園児をバスで連れて行って、田植えから稲刈りまで体験するそうです。
その体験の中で園児が「ゼロから1に変わる」瞬間を目撃したというのです。少し長くなりますが紹介します。
保育園で稲刈りを行ったときのことです。園児たちは鎌で稲を刈っていきます。
五歳児たちは経験しているので自分たちでやらせます。先生たちは園児たちを見守りながら刈った稲を干していたそうです。
三十分くらい黙々と稲刈りをした五歳児たちの後ろには一か所に大きな稲の山ができました。
するとある園児が「ちょっと待って!」とみんなに声をかけて、話し合いが始まりました。その様子を見守っていると「私たちずっと刈った稲をここに置いているけど、向こうで先生たちが干しているじゃん。そこまで運ばないとダメじゃないの」とその子が言ったのです。するとみんな「そうだね、そうだね」と言って「誰ちゃんと誰ちゃんはあそこまで運んで、その先は誰ちゃんと誰ちゃんが先生のところまで運んで、それを束にして先生に渡す係は誰ちゃんと誰ちゃん。その先は自分たちにはできないから先生にやってもらおう」と自分たちで役割分担を話し合ったということです。
日常から自分たちに生起した課題を自分たちで相談し、考えるように仕向けてきた成果が表れた瞬間だったと安永氏は語ります。
稲刈りの場面で、自分たちで問題に気付き、やり方を考え、新しいやり方を生み出した。こうしたことが人生を生きていく上で必要な力(「にんげん力」=「ゼロを1に変える力」)ではないかと安永氏は主張しました。

公的教育機関に在籍し、プレイヤーとしてマネージャーとして勤めた経験から安永氏の実践について考えてみます。
安永氏のような私的機関(私企業)と公的機関の決定的な違いは、人事考査において公的機関が減点主義なのに対して、私的機関は得点主義(成果主義)であるところにあると私は思っています。
減点主義の世界においては、プレイヤーもマネージャーも保守的、安全主義的にコトを処そうとします。対して得点主義の世界では良かれと思うことに対して積極的にチャレンジしていこうとします。この違いは相当に大きいと私は思っています。
しかし、公的機関といえどもいつまでも易きところ胡坐をかいている時代ではありません。保護者の目、国民の目が厳しくなっていることを自覚すべきでしょう。
私的機関の積極的なチャレンジで得られた成果を検証し、見習うべきことは見習い、良き実践は積極的に取り入れていく姿勢を持つべきではないかと私は考えます。
全ては未来を担う子どものために…。