田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌市の都市緑地めぐり④ 天神山緑地

2020-06-12 18:31:18 | 札幌市の公園・緑地・緑道

 「天神山緑地」は、ある意味で都市緑地の典型的な姿を具現している緑地なのかもしれない。緑深い小さな山には展望広場あり、芝生広場あり、遊戯広場ありとさまざまな設備が整えられているうえ、文化を醸成するための施設、地域の歴史を伝える碑が立てられているなど、満載の緑地である。

   

   ※ 緑濃い散策路が印象的な「天神山緑地」です。

 天神山緑地    64,178㎡(ドーム約1個分)

   

   ※ 天神山緑地のマップです。緑地に囲まれた白い部分は民有地のようです。その中に「天神藤」があります。

 「天神山緑地」は、地下鉄「南平岸駅」から徒歩で15分程度で行くことのできる都市の真ん中にある小さな天神山(標高89m)全体が緑地として指定されているところである。

   

   ※ 立派な園名板(石)が鎮座していました。

 緑地全体は緑がしっかりと保存され、大きな木々に囲まれた中に散策路が張り巡らされている。(緑地マップを参照のこと)

 天神山緑地を特徴づけるのは「天神山国際ハウス」だった。“だった”と記したのは、天神山国際ハウスは国際交流が目的で訪れた外国人が調査・研究・会議などのために宿泊する施設として建てられたのだが利用者減に伴い2008年に閉館となった。その後、同施設の再活用のため国内外のアーティストの活動場所として「さっぽろ天神山アートスタジオ」として2014年にリニューアルオープンしている。国際ハウスだった時代の名残として近くには小さな日本庭園がある。

   

   ※ 「さっぽろ天神山アートスタジオ」(元天神山国際ハウス)の建物です。

   

   ※ 元天神山国際ハウスの傍にある小ぶりの日本庭園です。(下の写真も)

   

 さて、肝心の緑地としての施設だが、国道453号線沿いの駐車場のところから緑地に入ると、大きな木々に囲まれた中に、展望広場、芝生広場、遊戯広場、自由広場(ゲートボール場)などが点在しており、市民が寛ぐ場所として絶好のシチュエーションではないだろうか。

   

   ※ わずかに高くなった展望広場から市内を見渡せます。 

   

   ※ 子どもの遊具を備えた遊戯広場です。

   

   ※ 今やプレーする人が稀なゲートボール場(自由広場)です。

 さらに緑地の一角には「平岸開基120年記念碑」「久保栄文学碑」「平岸林檎記念歌碑(石川啄木)」など、地域の歴史を伝える石碑が立てられている。ちなみに久保栄は平岸の林檎園を題材とした「林檎園日記」を著したことを顕彰されたのだろう。また、石川啄木は「石狩の都の外の君が家林檎の花の散りてやあらむ」という歌を詠んだというが、歌そのものは恋人のことを詠んだ歌なのだが、平岸の林檎のある風景を詠んだことで記念歌碑として採用されたのだと思われる。

        

         ※ 「平岸開基120年記念碑」です。

   

   ※ 久保栄文学碑です。「林檎園日記」と読めます。

   

   ※ 「平岸林檎園記念歌碑」です。歌の部分は経年劣化で読めませんでした。

 また、「天神山緑地」の敷地には入っていないが、緑地に囲まれるようにして「天神藤」という藤園がある。当初は個人の藤園だったようだが、2016年に札幌市に寄贈され現在は札幌市が管理している。今年はコロナ禍のために入園はできなかったようだが、私は2年前の満開時に訪れた経験がある。それは見事な藤色の花が藤棚から溢れんばかりに垂れ下がっている光景に目が癒された経験がある。

   

   ※ 「天神藤」が札幌市の管理下になったことを示しています。

   

   ※ コロナ禍のため入園不可でしたが、望遠で藤棚を撮りました。

 「天神山緑地」は面積がドーム約1個分強と比較的小さな緑地だが、近隣住民が憩うには十分な機能が揃っている。はたしてこの「天神山緑地」が理想的な緑地なのかどうかはまだ判断できないが、リード文でも記したようにある意味で典型的な緑地の一つなのではないか、と今のところ思ってはいるのだが…。

   

   ※ 「天神山緑地」の一角です。

   

   ※ 各所にベンチや東屋、水飲み場などが配置されていました。