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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 スポットライト 世紀のスクープ №279

2020-03-25 16:37:37 | 映画観賞・感想

 映画は事実を基に構成した脚本である。ストーリーは新聞記者たちがアメリカの病巣を暴くものだったが、終始緊張感に包まれ、エンターテイメントとしても十分に楽しめる内容だった。

        

 映画「スポットライト 世紀のスクープ」(2015年制作)は2016年度のアカデミー賞最優秀作品賞を受賞した作品である。

 映画はボストングローブ紙の中で特集記事を扱う少数精鋭(4人)取材チーム「スポットライト」のキャップ:ウォルター・ロビンソン(マイケル・キートン)が、新しく赴任した編集局長のマーティ・バロン(リーヴ・シュレイバー)からカソリック教会の神父の子供への性的虐待事件をチームで調査し記事にするよう依頼されたのが始まりである。

   

※ 本作の主要なキャスト、右からロビンソン、バロン、マイク、サーシャ、ベン、マットです。

  (本稿の最後に役名と本名を紹介します)

 ロビンソンのチームは、それまでの別の調査を中断して性的虐待事件を調べ始めた。すると事件は予想していた以上の広がりを見せ、実に87人もの神父たちが性的虐待をしていた事実を掴むに至った。またそうした事件をボストンのカソリック教会が隠蔽している事実も掴んだ。

 しかし、アメリカにおいてカソリック教会は地域社会に大きく根を張り、影響力も大きいために、そうした隠蔽体質に目を瞑るようにという働きかけが周囲から彼らのチームに有言無言の圧力をかけてくる。そのことに対して、バロンはひるむことなく取材を続け真実に迫れと、ロビンソンを激励する。

 ボストングローブ紙はロビンソンら「スポットライト」チームの取材に基づき、大々的なスクープを打ち出し、アメリカ社会の闇を明らかにしたのだった。

   

   ※ 本作において、第一線の記者役を演じたマイクことマーク・ラフェロです。

 こう紹介すると、何のひねりもなく正義漢に満ちた新聞記者たちの成功噺に聴こえてくるが、私は映画を観ながらアメリカ社会に巣くう闇の深さを感じていた。これまでも宗教者である神父が年少者に性的虐待を加えるという事件は時々メディアなどで報じられていた。そうしたニュースに接した時、私は数多くいる宗教者の中には病的異常者が存在するのだなぁ、という程度の認識だった。しかし、本作においてはアメリカの一地域において長年にわたって87人もの神父たちによって行われていたというのだから戦慄ものである。そして、その事実を把握しながら蓋をし続けた教会(枢機卿)の姿勢。また、地域社会の大物たち…。私はアメリカ社会の闇の深さを知る思いだった。そして欧米社会における宗教の影響力の大きさを知った。

   

   ※ 本作のモデルとなったウォルター・ロビンソン記者(右)と、その役を演じたマイケルキートン(左)です。

 そうした中における「スポットライト」チームの取材は困難を極めるものだったが、さまざまなプレッシャーと戦いながら勇気をもってアメリカの恥部を炙り出した取材ぶりは終始緊張感に満ち、観ている者を十分に楽しませてくれるフィルムだった。

※ 本作のキャスト( )内が本名です。

  ◇バロン(リーヴ・シュレイバー)・・・・・・・編集局長

  ◇ベン(ジョン・スラってリー)・・・・・・・・部長

  ◇ロビンソン(マイケル・キートン)・・・・・・「スポットライト」キャップ

  ◇マイク(マーク・ラフェロ)・・・・・・・・・「スポットライト」記者

  ◇サーシャ(レイチェル・マクアダムス)・・・・「スポットライト」女性記者

  ◇マット(ブライアン・ダーシー・ジェームズ)・「スポットライト」記者

 



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