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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

知られざる北方四島の自然

2023-07-09 19:29:17 | 講演・講義・フォーラム等
 我が国の領土だと主張する北方四島だが、現実はロシアが占有し既成事実化が進んでいて、私たちが往来することは全くできていないのが現状である。その北方四島に3度も渡ったことのある講師が知られざる北方四島の自然について豊富な映像資料と共に紹介してくれた。

 北方四島とは、多くの諸兄が知るとおり「択捉島」「国後島」「色丹島」「歯舞群島」の四島である。
  
 7月6日(木)午後、道立道民活動センター(通称:かでる2・7)の9階の「まなびの広場」で「まなびの広場でマナボー」講座が開講された。講座は前道新記者で、現在北海道ノンフィクション集団の代表である相原秀起氏が「知られざる北方四島の自然」と題して講義された。
 相原氏の3度の北方四島体験とは、①1992年7月の国後島、択捉島、色丹島、歯舞群島の訪問(国後島爺々岳山麓など)、②1999年8月の択捉島のラッコ調査、ラッキベツの滝調査、③2001年6月の色丹島の植物と海鳥類調査、の3度である。
 その体験を相原氏はそれぞれの島毎にタイトルを付けて紹介してくれた。
 ◆ラッコと火山の島 択捉
 ◆シマフクロウの島 国後
 ◆北太平洋の箱庭 色丹
 ◆海鳥とトドの楽園 歯舞
 相原氏が最初に北方四島を訪れたのは1992年である。今から30年前、ロシア(元のソ連)が実質的に占領してから47年後である。しかし、島に住んでいるロシア人はごく僅かで、道路は未舗装、しかも島全体を探るとしても道路そのものがないような未開の原野だったようだ。したがって、国後島の活火山・爺々岳の山麓に至る旅もかなり過酷だったようだ。
    
    ※ 標高1,822mの北方四島で最高峰の爺々岳の全貌です。
 他の島も状況は変わらず、道なき道を四輪、あるいは六輪駆動車を駆っての旅であり、調査だったという。つまり、相原氏から聴く四島の様子は手つかずの自然がそのままの状態だったそうだ。そうした中、タイトルからも分かるように、ラッコやシマフクロウ、あるいは海鳥、トドと北海道においては絶滅が危惧される種も至るところで観察することができたと、当時撮影された動画と共に紹介していただいた。
          
 相原氏が最後に訪れたときから既に20年が経過している。近年、ロシアは四島の占有のより実質化を図る目的からインフラ整備に予算を投下しているとも聞く。さらには、以前は可能だった四島へのビザなし訪問も数年前から閉ざされてしまった。
 相原氏は言う。「あれから20年、島の現状がどうなっているのか?それを知る術がない」と…。
 歴史に「たら、れば」は無いともいうが、1951年に締結されたサンフランシスコ条約で我が国は北方四島を放棄したことにはなっていない、というのが日本の主張である。もし、日本の主張どおりにコトが展開していれば、今ごろ北方四島はどうなっていただろうか、と夢想せずにはいられないのだが…。う~ん。


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