読売日本交響楽団のOBの方々の深みのある音が会場の「ちえりあホール」内に響き渡った。私にとっては馴染みのある曲の演奏も多く、その意味でも楽しめたコンサートだった。
昨日(6月18日)午後、札幌市生涯学習センターの「ちえりあホール」において読売日本交響楽団エルダーメンバーによるアンサンブル演奏会「読売サロンコンサート in 札幌」があり、知人のS氏が入場券を手配してくれたことで鑑賞することができた。エルダーとは、年長、年上、先輩というような意味で、MC役の方の説明では読響のOBの方で編成されたグループとのことだった。
メンバーは弦楽四重奏の4人に、トランペット奏者が加わった5人のグループに、ゲスト的にソプラノ歌手の北野里沙さんが加わった編成だった。
その北野里沙さんのことだが、ステージに現れた時、その美貌に思わず目を奪われてしまった。彼女の登場でステージ上の雰囲気が一変してしまったほどに感じられた。それもそのはず、MCの方の紹介で彼女は今年のミスジャパングランプリの東京大会で最高賞を獲得されたという折り紙付きの美女だったのだ。私は別にルッキズムイストではないが、ステージ映えすることは彼女にとっては大きな武器に違いないと思われた。彼女の名誉のために付け加えると、北野里沙さんの歌唱力も中央で十分に通用する力量を備えていたことを付記しておきたい。
プログラムは次のとおりだった。
◇モーツァルト/アイネ・クライネ・ナハトムジークより第一楽章 〈弦楽四重奏〉
◇J.S.バッハ/主よ、人の望みの喜びよ 〈弦楽四重奏+トランペット〉
◇サンサーンス/白鳥 〈チェロ独奏〉
◇作曲者不詳/アメージング・グレース 〈ソプラノ独唱+弦楽四重奏〉
◇ヴェルディ/乾杯の歌 〈ソプラノ独唱+弦楽四重奏+トランペット〉
◇マスカーニ/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲 〈 同 上 〉
◇メンケン/ホール・ニュー・ワールド 〈トランペット+弦楽四重奏〉
◇ハーライン/星に願いを 〈弦楽四重奏+トランペット〉
◇モンティ/チャルダッシュ 〈第一ヴァイオリン+第二ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ〉
◇J.シュトラウスⅡ/美しき青きドナウ 〈弦楽四重奏〉
《アンコール曲》
◇葉加瀬太郎/情熱大陸 〈弦楽四重奏〉
◇さだまさし/北の国から 〈ソプラノ独唱+弦楽四重奏+トランペット〉
◇J.シュトラウスⅠ/ラデツキー行進曲 〈弦楽四重奏〉
というラインナップは、比較的クラシック初心者を意識した構成だったのかもしれない。奏者たちはおそらく読響の中ではレジェンドと呼ばれている人たちだと思われる。そうした方々の紡ぎ出す音はどこか余裕を感じさせ、音に深みを感じさせてくれる演奏だった。ただそのことが逆に、繊細さに欠けるところも時にはあったかな?と思われる部分も感じられた。そんなことを感じることができたなんて、私も少しはクラシックの音を聴くことができるようになったのかな?と思ったところだった。
そんな細かなことは別にして、アンコールも含めて全13曲を心から楽しめた「読売サロンコンサート in 札幌」だった。
最後にステージに登場したレジェンドの皆さんを紹介しておくことにする。
◇トランペット 田島 勤
◇ヴァイオリン 福田 高明
◇ヴァイオリン 望月 寿正
◇ヴィオラ 清水 潤一
◇チェロ 浅川 岳史
※ 掲載した写真は最初のステージの写真を除いては全てウェブ上から拝借しました。