札幌弁護士会主催の「平和のとりでを築く講演&コンサート」の閉会あいさつが印象的だった。「国を応援するのではない!困っている人を応援するのだ!」と…。戦争放棄を謳う日本国憲法を護ろうとする札幌弁護士会の思いが凝縮された言葉だと受け止めた。
9月23日(土)午後に札幌エルプラザで開催された「平和のとりでを築く講演&コンサート」のコンサートの印象についてはすでにレポしたが、講演の部のレポはまだだった。
講演のことについては後述するとして、イベントの全てが終了する際に閉会のあいさつをされた札幌弁護士会の憲法委員会委員長代行の方の挨拶が印象に残った。その挨拶の要旨は、今回のイベントの開催にあたってウクライナ人であるナターシャさんを招聘することに異論を挟む弁護士会の会員の声があったという。(ナターシャさんのことについては9月24日付拙ブログで投稿済み)その声とは「弁護士会としてウクライナという国を応援するのか?」という疑問だったという。それは戦争状態にある一方の国に肩入れすることに繋がるのではないかという指摘である。それに対して弁護士会としては、「戦争状態にある一方の国を応援するのではない。その戦争で一方的に困っているウクライナの人たちを助ける」ということで意見の一致を見てナターシャさんの招聘が実現した、と事情を語ってくれた。「戦争は最大の人権侵害」と考える札幌弁護士会らしい内実を語ってくれた配慮が嬉しかった。
講演の方であるが、こちらは決して “講演” という堅いイメージではなく、弁護士会の若手のお二人が「憲法って、何だろう?」、「へいわとせんそう」という二つの絵本を読み聴かせるという内容だった。
「憲法って、何だろう?」の方は、日本弁護士会が制作したもので、憲法の趣旨を分かりやすく小学生でも理解できる内容で解説したものだった。こちらの絵本は参加者全員に配布された。
そしてもう一方の「へいわとせんそう」は、たにかわしゅたろうさんが詩を書き、Noritakeさんが作画した絵本を女性の弁護士がNoritakeさんの画を大写ししながら朗読した。
とてもシンプルな詩とシンプルな画、それが聴いている者に非常に浸みてきた。
その一部を紹介すると…。それは「へいわのぼく」、「せんそうのぼく」あるいは、「へいわのわたし」、「せんそうのわたし」と対比させた画が次々と映し出される。そして「へいわのちち」、「せんそうのちち」の画が下のような画である。
そして「へいわのぎょうれつ」、「せんそうのぎょうれつ」である。
次の「へいわのどうぐ」、「せんそうのどうぐ」を見せられた時は「ギョッ!」とした。やはりピストルの画は強烈である。
最後の画の「みかたのあさ」、「てきのあさ」も一枚の画で見せるところが印象的である。
説得力のある絵本を紹介していただいた思いである。
難しい時代になってきている。人々を不幸にする “戦争” という行為がこの地球から無くなる日は来ないのだろうか???