先日、我が家では手動のコーヒーミルを導入した。「何を今さら…」と鼻でせせら笑われそうであるが、我が家にとっては珍事である。ステイホームが強いられている今、ゆったりと豆を挽き、コーヒーの香りと共に味わうのもいいものである。
ついに話題が事欠き始めてきた。そこで他愛ない話題を…。
過日、知人のところ所用があって出かけた。用件が終わったので知人宅を退去しようとしたとき「せっかくだから、コーヒーでも…」とお誘いを受けた。「それでは」とお誘いに乗ったところ、知人はコーヒーミルを取り出してきてコーヒー豆を挽き始めた。私は「いつもそうして楽しんでいるのか?」と問うた。すると「そうではない。気が向いたときに…。ふだんはインスタントも楽しんでいるよ」とのことだった。
いただいたコーヒーが何とも濃厚で美味しかった。主体性に乏しく、他から影響を受けやすい私は「これは真似しなくては」と思い立った。
普段の私はコーヒーなどの味には無頓着で、紙製バックに入ったコーヒーを落として飲むのも珍しく、安価なボトルコーヒーを飲むのが常だった。
知人宅から帰り、妻に話したところ、妻も乗り気だった。そこで妻に購入を依頼して導入したのが、写真のような銅製の手動のコーヒーミルである。同時に二人用のドリッパー、サーバー&デカンタも購入した。全てKalita製である。
さっそく、ギーコギーコと豆を挽いて、コーヒーを淹れる所作にのっとってゆっくりとお湯を落として、待望の一杯を口にした。やや濃厚で苦みが勝るコーヒーが口の中に広がった。うん、この何とも言えない苦みが旨さをひき立たせる。私は十分に満足だった。
妻も楽しんでいるようである。私がコーヒーミルを手元に置いたのは独身以来である。我が家にとっては珍事である。
これからは「何時も」とはいかないが、気持ちに余裕ができたときには、コーヒー豆を挽いてゆっくりとコーヒーを味わうのもいいなぁ、と思っている。
しかも落ち着いた雰囲気の手回しミルですと!
実を申せば、ぼくは人生で一度もミルを所有したことがありません。
なので今回の記事は羨ましいのイチゴミルク、じゃなくて一語につきます。
ミルくらい買えばいいじゃないか、と言われてしまいそうですが、買いそびれると買いそびれるものなんですよ……。
私の場合も、知人のところでミルで淹れられなかったなら、今回のように購入することはなかったと思われますから…。
まあ、いつか何かの拍子に購入、ということもあるかもしれませんね…。