やはり春と違って山野草の花が見られたのはほんの少しだけだった。野幌森林公園の森は緑に萌え、生命力に溢れた木々や山野草がぐいぐいと成長する空気に満ちているようだった。そんな中、ガイドから野生種のランの花を教えていただいた。
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今日、6月8日午前、野幌森林公園において野幌森林公園自然ふれあい交流館(ふれあい交流館)と北海道ボランティアレンジャー協議会(ボラレン)の共催による「森の新緑観察会」が開催されたので参加した。
ふれあい交流館とボラレンのこの種の観察会は年間に8回ほど開催されているが、いつもたくさんのボランティアレンジャーの皆さんがガイドとして参加され、参加者4~5名に1人のガイドが付いてくれるために説明がよく聞き取れるうえ、どのガイドが担当されても知識豊富な説明が聴けるので私はできるだけ参加するように努めてきた。今回、私たち5名の担当となった方も豊富な知識を惜しみなく提供してくれた。
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※ 野幌森林公園内は写真のように濃い緑に満ちていました。
今回は森林公園内の「大沢コース」を往復して山野草を紹介してくれたが、その中から特に印象的だった山野草についてレポートすることにする。
まず散策路の路傍で目立ったのが、背の高い「オオウバユリ」と「オオハナウド」である。「オオウバユリ」は成長して秋には1.5~2mにもなるが、この時期はまだ半分程度の高さだった。花が付き始めると、そこをエゾシカに食べられる被害が最近続出しているらしい。
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※ オオウバユリはまだまだ成長途中でした。
「オオハナウド」も高さ1.5~2mになるそうだが、こちらはすでにその高さ近くまで成長し、白い小さな花をたくさん付けていた。一つの茎に雌花と雄花があるが、写真のものは中心の雌花がすでに受粉をして、実がつき始めている状態だということだった。
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※ オオハナウドは周りの白い花が雄花で、中心の雌花は受粉して実を付け始めています。
次に、春の花「エンレイソウ」であるが、普通種は春に紫色の花を付けるが、今の時期は黒く熟した実になっていた。ところが実がつかないもの、葉の数が多いものといった変種も近くに生えていた。私にとって変種とは初耳だった。
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※ エンレイソウは広い葉の中心付近に黒色の実を付けていました。
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※ エンレイソウの変種は花が付く中心に緑色の花らしきものが付いています。
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※ こちらの変種は3枚の葉であるはずなのに、5枚も葉が付いています。
続いて「フタリシズカ」である。春に咲く「ヒトリシズカ」は有名であり、私も良く目にするが、「フタリシズカ」は初めてだった。「ヒトリシズカ」は花の時期が終わり、実をつけていたが、「フタリシズカ」の方は花を付けるのはこれからだという。(10日後くらい)
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※ フタリシズカは確かに2本の花がこれから咲こうとしています。
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※ ヒトリシズカの方はすでに実となっていて、やがて実は葉の後ろに隠れるそうです。
次は小さな花だが、紫色が鮮やかだった「ヒトフサニワゼキショウ」である。この種は外来種が日本(北海道)に根付いた一種だという。
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※ 紫色が鮮やかなヒトフサニワゼキショウです。
最後にリード文でも触れた野生のランだが、二種教えていただいた。一つは「コケイラン」である。花の一つ一つがとても小さかったが、立派なランの一種だそうだ。
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※ 小さな花を付けたコケイランです。
もう一つ「トケンラン」であるが、ガイドからそう聞いたのでメモしたのだが、帰宅して確かめてみると、そうした種が見当たらなかった。聞き違えのようだが、今となっては調べようがないが、写真だけは掲載しておくことにする。
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※ トケンランとお聞きしたのですが、聴き間違えのようです。
まだまだ紹介された山野草はあるのだが、私にとって既知のものだったり、写真と名前が一致しなかったりしたことから割愛することにした。
山野草は奥が深い。私のように物覚えの悪い者にとっては、ポピュラーな山野草をいくつか覚えることができたのが精一杯である。この種の観察会にはこれからも出たい思いはあるのだが「どうしょうかなぁ…」と思い始めている。
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※ 好天につられてカラスアゲハが飛び出してきました。