久しぶりの映画観賞だったが、とても楽しめた2時間だった。さすがに今をときめく池井戸潤の原作である。題名からして意味深であるが、豪華キャストを揃えて贅沢なエンターテイメント作品として完成した映画だった。
久しく映画を観ていなかった。現在話題の映画は何なんだろうか?
新聞から映画上映案内が消えてからどれくらい経つだろうか?上映映画はネットで検索すればよい、と言われるかもしれないが、我々世代はやはり新聞の下の方に掲示されているのを見て、映画情報を入手するのが自然だったのだが…。
そうした中、テレビで「シャイロックの子供たち」が盛んにPRしていたのを見聞し、興味を抱いた。「シャイロック」とは、シェークスピアの「ヴェニスの商人」に登場するユダヤ人の強欲無慈悲な金貸しとして描かれている商人である。「シャイロックの子供たち」すなわちシャイロックのごとく、お金のためには良心も何もかなぐり捨てて蠢く銀行内部を描いた物語である。
3月8日(月)午後、スケジュールが空いていたこともあり観賞を決めてシネマフロンティア札幌に赴いた。平日の午後だったが50人くらいの鑑賞者がいたようで、それなりに人気の映画のようだった。
ストーリーの紹介は省くが、登場人物を予告編では次のように色分けする。
東京第一銀行 長原支店
◇支店長 九條 薫(柳葉 敏郎) 〔出世したい男〕
◇副支店長 古川 一夫(杉本 哲太) 〔超パワハラ男〕
◇営業課 課長代理 西木 雅博(阿部サダオ) 〔暴く男〕
◇ 〃 部下 北川 愛理(上戸 彩) 〔疑われる女〕
◇お客様1課課長代理 滝野 真(佐藤 隆太) 〔利用される男〕
◇お客様2課 田端 洋司(玉森 裕太) 〔疑う男〕
◇本店検査部次長 黒田 道春(佐々木蔵之介)〔調査する男〕
◇取引先 顧客 石本 浩一(橋爪 功) 〔利用する男〕
◇ 〃 〃 沢崎 肇(柄本 明) 〔謎の男〕
※ 左から疑う男・玉森裕太、暴く男・阿部サダオ、疑われる女・上戸彩
この人間関係を見ただけで、物語の面白さがおぼろげながらに見えてくるのではないか。さらに予告編では次のような惹句が躍る。
〔巨額詐欺〕、〔社内派閥〕、〔数字至上主義〕、〔100万円紛失〕、〔横領〕、〔偽造〕、〔陰湿なパワハラ〕、〔仲間の裏切り〕、等々…。
観ている者を飽きさせないスリリングなストーリー展開はさすがである。主演の阿部サダオ、そしてそれを支える柳葉敏郎、橋爪功、柄本明らがそれぞれいい味を出していた。
※ いい味を出していた謎の男役の柄本明
それにしても現在銀行をはじめとする金融機関にお勤めの方には申し訳ないが、私にはまったく合わない職場だなぁ、と感じながら映画に見入っていた…。
WBC寸評 Vol.2
昨夜のWBC1次リーグB組の日本の第一戦 対中国戦は8対1とスコアだけを見ると日本の完勝である。しかし、内容的に見るとけっして完勝と胸を張れる内容でもなかったように私の目には映った。
先発した大谷選手は投げては4回無失点、打っては2点適時打と文句のない活躍だった。しかし、その他の選手はやや不満が残った。初回の攻撃で相手投手のコントロールが定まらず無死満塁と絶好機に村上が四球押し出しで1点を先制したものの、その後は音なしで絶好のチャンスを逃してしまった。
4回に大谷が大会規定で降板した時点で3対0というスコアだった。その後も日本打線は湿り続ける中、日本は第二先発投手という位置づけで巨人の戸郷がマウンドに上がった。
戸郷はキレの良い変化球が持ち味のようだが、投法から見るといかにもボールが軽い印象を受ける。すると6回中国の1番打者に痛烈なライナー気味の本塁打を浴びせられた。これで3対1となった。続く7回にもいきなり2塁打を浴び無死2塁のピンチを迎えてしまった。ここで1打が出ると3対2となり雰囲気は一変したのではないか。幸い戸郷は後続を断ったことでそうした事態を免れたが…。テレビでは戸郷の3回7奪三振を囃し立てていたが、戸郷は大会前の強化試合でも痛打を浴びていた。今後にやや不安が残る。
湿りっ放しの打線はようやく8回になって4点を奪い引き離したが、観ている方としてはもう少し早い段階で相手を攻略してほしいと思ってしまう。
本日の対韓国戦は不調の村上が目を覚ましてスッキリと勝利してほしいと願っている。