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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

宮の森アルテ・ムジクス アーベントムジーク

2023-03-07 11:23:57 | ステージ & エンターテイメント

 思わぬ形で水準の高い管弦楽団に出会った気分である。バロック、古典派の作品を演奏することを目的としたアマチュアの演奏集団ということだが、かなり高いレベルでハイドンやベートーヴェンの曲を古楽器も交えた構成で披露してくれた。

        

 3月4日(土)夜、札幌芸術文化劇場クリエイティブスタジオにおいて「宮の森アルテ・ムジクス アーベントムジーク」が開催された参加した。なぜこの演奏会に参加したかというと、その名前からしてなんとなく他の管弦楽団とは違うのかな?という思いと、チケットが法外に安価(500円)だったからだ。

 興味を持った楽団名、演奏会名について調べてみた。楽団名の「アルテ・ムジクス」とは、どうやらイタリア語で「アルテ」とは元々は団体とか、仲間という意味だったものが中世以降それに「芸術」という意味も含まれるようになったようである。そして「ムジクス」は研究家といった意味があるという。したがって「アルテ・ムジクス」とは(バロック、古典)音楽を研鑽する仲間的な意味を持たせたものと思われる。さらに「アーベントムジーク」は夕べの演奏会という意味のようである。

 開演時刻となって団員が入場するのを見て意外だった。なんと団員の数が40名を数える本格的ともいえる管弦楽団だったのだ。

 演奏する曲目がまた本格的だった。(バロック、古典を志向するということだから当然なことなのだが…)その演奏曲目を羅列してみると…、

 ◆J.ハイドン/交響曲第101番 ニ長調 Hob.I:101《時計》

   第1楽章 アダージョ‐プレスト ニ短調‐ニ長調、3/4拍子‐6/8拍子

   第2楽章 アンダンテ ト長調、4分の2拍子

   第3楽章 メヌエット:アレグレツト‐トリオ ニ長調、4分の3拍子

   第4楽章 フィナーレ:ヴィヴァーチェ ニ長調、2分の2拍子

 ◆J.ハイドン/トランペット協奏曲 変ホ長調 Hob. Vlle:1

   第1楽章 アレグロ 変ホ長調、4分の4拍子

   第2楽章 アンダンテ 変イ長調、8分の4拍子

   第3楽章 フィナーレ:アレグロ 変ホ長調、4分の2拍子

       ――― 15分の休憩を挟んで ―――

 ◆L.V.ベートーヴェン/軍隊行進曲集

   行進曲 へ長調 「ボヘミア守備隊のための」WoO.18

   行進曲 へ長調 WoO.19

   行進曲 ハ長調 「帰営のラッパ」WoO.20

   ポロネーズ ニ長調 WoO.21

   エコセーズ ニ長調 WoO.22

 ◆J.ハイドン/交響曲第100番 ト長調 Hob.I:100《軍隊》

   第1楽章 アダージョ‐アレグロ ト長調、2分の2拍子

   第2楽章 アグレット ハ長調、2分の2拍子

   第3楽章 メヌエット:モデラート‐トリオ ト長調、4分の3拍子

   第4楽章 フィナーレ:ブレスト ト長調、8分の6拍子

と曲目を見るだけで、音楽に興味のない方にはいったいどのような曲なのか想像もつかないような曲目が並べられた。もちろん私にとってもほとんどが初見(初耳)の曲目ばかりだった。

 演奏が始まってみると、なかなか実力がある管弦楽団であることを知らしめられた。管楽器と弦楽器のバランスもしっかりと取られ、心地良い音が耳に届けられた。敢えて素人の私が指摘するとすれば、弦楽器が細やかな音になるときにプロとの違いがやや明確になったところくらいか?その中でも私の目の前で演奏された第一ヴァイオリンのコンマスを務めた方はかなりの実力者と見た。彼の指運びは他のメンバーとは明らかに違った自信に満ちた指運びだったことが見て取れた。

   

   ※ 今回の演奏会とは若干雰囲気が違い、後方に合しよう団の方々が並んでいます。

 特徴的だったことは管楽器に古楽器(ピリオド楽器というのかな?)を取り入れていたことだ。バロックオーボエ、バロックファゴット、ナチュラル・ホルン、バロック・トランペット、キイトランペット、等々を用いているということだった。

 今演奏会の二曲目「ハイドンのトランペット協奏曲」はそのキイトランペット奏者の中村孝志氏のソロ演奏を中心とする一曲だった、また、三曲目の「ベートーヴェンの軍楽行進曲集」は管楽器だけによる演奏だった。

 楽団員お一人お一人を拝見すると決して若年者の集団ではなく、長い年月にわたってバロック音楽など古典音楽を追求されている方々だとうかがわれた。これはなかなか興味深い管弦楽団である。9月の定期演奏会にもぜひ足を運んでみたいと思っている。



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