札幌には「札幌景観資産」に指定された物件が30件あるそうだが、うち3件が欠番となり、さらに1件が完全非公開となっている。その完全非公開なのが旧星野邸である。旧星野邸は所有者が代わって住宅として使用していることもあり非公開となったようである。
※ ウェブ上にあった旧星野邸の住宅前面です。
妻が「桑園地区に面白い住宅がある」と言って、本日札幌駅近辺に所用で出かけた際に我が家から徒歩で向かったのだが、その途中で札幌景観資産に指定されている「旧星野邸」の外観を見せていただいた。
そもそも「札幌景観資産」とは何ぞや?と思い調べてみた。すると札幌市のHPに次のように出ていた。
「景観形成上重要な価値があると認められる建築物や工作物、樹木、その他のものについて、所有者の同意を得たうえで、「札幌景観資産」として指定し、地域の良好な景観の形成を推進しています。」
とあった。そして指定されている物件30件が紹介されていたが、うち先述したように3件が指定後に辞退等で3件が欠番となり、1件が完全非公開、さらには「札幌市資料館」が国の重要文化財に指定されリストから外れていることが分かった。その完全非公開となっているのがこの「旧星野邸」である。
そもそもこの一帯は北海道大学からも近く、現北海道大学がまだ北海道帝国大学と称していた時代には大学教授たちが競って洋風建築を建築していて、その頃は十数軒も建っていたそうだ。そうしたことで一帯は桑園「博士町」とか、「大学村」と付近住民からは呼ばれていたようだ。
旧星野邸もその一つで、北海道帝国大学の名誉教授の星野雄三氏(専門は園芸学とのこと)が昭和7(1932)年に亜鉛鉄板葺木像2階建ての住宅を建てたそうだ。それを現所有者が買い取り平成23(2011)年に住宅として大改修し、現在に至っているとのことである。
住宅は深い生垣に囲まれており、外観といっても玄関前がわずかに伺えるのみで、そのエントランスに「札幌景観資産」を示すプレートが立てられてあった。外観からはプレートにも説明があった、下見板張りの外壁、応接間の出窓、玄関までアプローチに札幌軟石が敷かれていることなどを伺うことができたが、「完全非公開」ということで写真は掲載しないこととしたい。(ウェブ上から一枚だけ拝借した外観を掲載する)
※ 住宅のエントランスのところに掲示されていた「札幌景観資産」のプレートです。
実は、私はこれまで「札幌景観資産」に指定されている建物など数件はすでに訪れたことがあり、拙ブログでもレポしているが、今回改めて「札幌景観資産」のことを知り、もう一度全体を訪れてみようかな?と思い始めている。できれば雪が降る前に欠番以外の「札幌景観資産」を訪れたいと考えている。