黒岳石室の眼前に聳える桂月岳は石室から標高差50mとけっして大きな山ではないが岩石が積み重なった骨っぽい山だった。桂月岳の名は文学者の大町桂月にちなんで名付けられた山だそうだ。
※ 黒岳山頂から石室に向かって下っていく登山道です。
黒岳山頂から桂月岳に登るには、一度標高差94mを下って黒岳石室(標高1,890m)に至り、そこから今度は標高差48mを登ることによって桂月岳の山頂に至る。
黒岳山頂から石室までは約800mあるが、そこを20分かけて石室に着いた。黒岳石室は大雪山を縦走する人たちにとっては、宿泊点であり、中継点になっているようだ。(石室での素泊まり、その横にはテントサイトもある)たくさんの登山者が食事をしたり、休憩を取ったりしていた。
※ いかにも堅牢な石造りの「黒岳石室」です。
※ 「黒岳石室」の傍には登山者が憩うテーブルと椅子が用意されていました。
私はそこを通過し、すぐに桂月岳に向かった。標高差わずか48mとはいっても、結構な迫力を伴い桂月岳は私の目の前に聳えていた。
※ 「黒岳石室」から見た「桂月岳」です。
登山道は小さな山とはいえ、岩がごろごろと積み重なっていた。しかし、それほど困難な箇所もなく石室から25分後に桂月岳山頂に着いた。山頂とはいっても特に標識はなく、周りの様子からピークと判断した。山頂からは遠くに黒岳山頂も望むことができた。
※ 桂月岳に向かうまだ平坦な登山路で見た地被植物の紅葉です。
※ 岩がゴロゴロと積み重なっている登山道です。
※ こちらも同様です。
※ 常緑樹と紅葉の葉の組み合わせが素晴らしいとシャッターを押しました。
※ 山頂間近の登山道です。
※ 登山時に目に入った雪渓ですが、見方によっては北海道にも似ていると思ったのですが…。
※ 桂月岳山頂から見た山室を含めた風景です。
※ ここを山頂と考えたのですが、その隣にさらに高いところがありました。
※ こちらが真の桂月岳山頂だと思われます。
※ 桂月岳山頂から黒岳山頂が望めました。黒岳山頂にはたくさんの登山者が見えます。
※ 桂月岳の隣のピークですが、凌雲岳でしょうか?自信はありません。
ところで「桂月岳」の名称であるが、前述したように大正時代の随筆家の大町桂月にちなんで名付けられたという。桂月が黒岳を訪れた大正時代には登山道も整備されていなく、ロープウェイもリフトもない時代である。とてつもなく困難な登山であったことが想像される。そんな状況で大雪山を巡った大町桂月は素晴らしい言葉を残したそうだ。その言葉とは、
富士山に登って、山岳の高さを語れ。
大雪山に登って、山岳の大(おおい)さを語れ。
なんと含蓄のある言葉だろう。二つの山を体験することができた私にとって心から納得させられる言葉に出会った思いだった。
下山は再び黒岳山頂を経て、2時間かかって黒岳7合目の登山口に着いたが、やはり歳を感ぜずにはいられない今回の山行だった…。
※ 帰路、黒岳石室から黒岳を目ざす登山道です。
【桂月岳(黒岳石室コース) 登山データ】
標 高 1,938m(獲得標高差 黒岳7合目から522m)
行 程 ※ グランドシニアの足とお考えください。
登山口→(1時間40分)→黒岳山頂→(20分)→黒岳石室→(25分)→桂月岳山頂→(20分)→黒岳石室→(30分)→黒岳山頂→(1時間10分)→登山口
上り(2時間25分) 下り(2時間)
天 候 晴れ、微風
登山日 ‘21/09/25