民生委員って、どんな仕事なのだろうか?そんな素朴な疑問から「民生委員・児童委員入門講座」なる講座を受講してみた。率直な感想として、目立たない仕事ではあるが社会を支えるうえで重要な任務であることを理解できた…。
別に民生委員になろうと希望しているわけではない。友人・知人の中に民生委員をしている方がおり、そうした方々の仕事を理解したい、という思いから4月18日(木)午後、拙宅の近くにある市の社会福祉総合センターで開催された「民生委員・児童委員入門講座」を受講してみた。
講座は、最初に「札幌市民生委員児童委員協議会」の事務局(札幌市職員)の方から民生委員・児童委委員の制度の概要、仕事の任務、そして現況などについての説明があった。続いて、現役の民生委員、主任児童委員の方から実際に任務を遂行している立場からのお話を伺った。
まず「民生委員」とは、社会福祉の増進のために、地域住民の立場から生活や福祉全般に関する相談・援助活動を行うことが任務で、無報酬ではあるが非常勤の地方公務員という立場だという。なお、「民生委員」は全員が「児童委員」を兼ね、妊娠中の主婦や子育ての不安に対する相談・支援の任務も兼ねているそうだ。
現在、札幌市では定員2,967人だが、現在活動中の方は2,800人だという。年齢要件は基本的に30歳以上、75歳未満ということになっているが、意欲のある方はこれに限らないともお話された。
その後、民生委員(児童委員)の役割・職務、実際の活動の状況などについてのお話がなされたが、その部分は割愛したい。
事務局の方のからの説明の後は、実際に民生委員・児童委員、主任児童委員の任に就いているお二人からお話を伺った。
※ 左に立たれている方が札幌市民生委員児童委員協議会の会長をされている紙谷京子さんです。
お一人は札幌市民生委員児童委員協議会の会長をされている紙谷京子さんという方であった。紙谷さんは札幌市の民生委員児童委員2,800名のトップに立たれている方である。委員に就任してから実に36年目という超ベテランである。紙谷さんは住民が困ったことに遭遇した場面で、共に考え、悩んだ末に問題が解決できたときに「ありがとう!」という一言をいただくのが何よりの喜びであると話され、「人のために役立つことは、自分のためにもなっている」ことを痛感されたと強調された。
もうお一人は主任児童委員の五十鈴理佳さんである。主任児童委員とは、専ら子どもや子育て家庭への支援を専門に担当する役割だという。(いわゆる民生委員児童委員とは、やや性格が異なるようである)五十鈴さんは、地域で「子育てサロン」を開設し、担当の保健婦さんたちと一緒に悩める母親や子どもたちに対しての支援に力を入れているとし、自らも地域の住民に一員として、元気な地域となるように努めていると話された。
民生委員・児童委員の現状は、プライバシー意識の高まりや、役割・活動の増加などにより担い手不足が深刻化しているとも話された。民生委員というと地域の方々から信頼されるような人格高潔な人との印象がある。人格高潔などという品性からほど遠い私にはまったく不向きな仕事であり、ましてや年齢的にも難しい。
ただ、今回の入門講座の参加者の方々の質疑応答を聞いているかぎり、かなり意欲的な方々も見受けられた。そうした方々を見ていると、「あゝ、素晴らしい方もけっこういらっしゃるなー」との思いを強くした。ある意味、社会にとっては縁の下の力持ち的存在ではあるが、そうした方々に次代を託したいと思ったものだった…。