津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

県立美術館○  県立図書館○

2009-04-15 17:23:16 | 歴史
 永青文庫の「赤穂浪士切腹之図」を展観すべく県立美術館に出かける。安場家所蔵のものと構図は同じだが、詳細に見ると随分雰囲気が違う。藩主綱利が覗き見をしたという杉戸は、安場家のものでは松ノ木が描かれている。介錯役の安場一平の姿も、足の踏ん張り方や刀の位置がまったく違う。「似て非なるもの」である。「御預人始終覚書」が出ており、その中の切腹の場の見取り図が展示してある。私どもが日頃目にする「赤穂義士史料」でみる見取り図が、ここから出ていることをうかがわせる。
 さてこの「赤穂義士切腹之図」と「御預人始終覚書」の見取り図がまったく符合しない。元禄三年の「白金御屋敷」の間取り図のコピーを持ち込んだが、これも「赤穂義士切腹之図」とは合わない。係員の方にお聞きすると、どうやら永青文庫(東京)の学芸員の方に電話でお尋ねいただいたようだ。結論は「御預人始終覚書」の見取り図が正解で、絵図の方は絵師が雰囲気を出す為に脚色したものだそうだ。これにて一件落着。
「白金御屋敷図」と「御預人始終覚書」の見取り図を詳細に検証すると、一応の場所の特定が出来、大野瑞雄氏所蔵の絵図が正鵠を得ていることが判った。
その他、色々拝見して大満足。

 帰りに図書館行き、今日は「中瀬家傳略」と「先祖附」をコピーして後、館内を図書館浴。目的の資料に、思いがけない記述を発見、訓下しが楽しみである。

 調べ物中の史談会のK嬢に遭遇、ご先祖様について某所で研究発表をなさるらしく、真剣そのもの。二三分お話しをして後退館する。 よき一日、美術館も図書館も○。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

早水助兵衛大坂ニ而之働

2009-04-15 12:19:51 | memo
 赤穂義士・早水藤左衛門のご先祖は細川家に在ったことをご紹介した。
その人早水助兵衛の大坂之陳における働き振りが「部分御舊記・軍事部一」(熊本縣資料・近世編二 p581)に記されている。

  先年大坂にて組頭結城権之助と申候備ハ森豊前殿承(ママ)ニ而御座候/五月七日所ハ
  天王寺より貳町程南ニ而御座候/御先手馬を入懸り来ニ付而出向鑓を合其場三十間程
  追立申候/於其場阿部對馬様御内橋本十兵衛と申仁と立ならひ働申候/其外同場にて
  働候もの共土井大炊様御内松下外記・藤岡縫殿助・酒井讃岐様御内松岡市郎左衛門と
  申仁右何も組傍輩ニ而一所之儀ニ候間右之段存事ニ御座候由已上

 年月が特定されていないが、元和初頭の文書であろうか。
助兵衛の召出しについては、先にご紹介したように「弐拾四人扶持ハ 速水助兵衛  右之助兵衛新参ニ被召拘候寛永拾六年八月三日御礼申上候(以下略)」とある。24~25年が経過している事になる。となると同名別人か・・?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする