津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

「床の間」つづき

2009-04-10 10:44:45 | 建築
 4月1日のブログで書いた、太田博太郎博士の「床の間」なる本は、とうとう見つからないままである。

 話は遡るが、あるところで「床の間」の「ちんくぐり」についての話が出た。お前は建築の専門家だからと説明を求められ、一応の解説をしてお茶を濁したのだが、今ひとつ納得できないでいた。太田先生のご高説を知りたいと思い、本棚を探し回ったと言う次第である。
 床の間の一つの形式として、床の間と床脇の仕切り壁の下方を切り取ったものを「ちんくぐり」と称している。本来は床の間をへて、床脇まで外の光を導く為に考案されたものだという説がある。「ちんくぐり」とは「狆くぐり」で、愛玩する「狆」が潜り抜けるようにしたのだともいうが、これは単なるこじつけであろう。「狆」なる犬について詳しいことは承知しないが、床の間の発生より古くからいた事は間違いない。私が知りたかったのは、「ちんくぐり」がある一番古い床の間がどこなのかということである。

 お座敷の造作材で、障子やフスマの下にある横架材を敷居、上にある横架材を鴨居という。さてこの鴨居という呼称についても良くわからない。大言海は「鴨柄=上枝の転か?」と片付けている。鴨がこんなところに居るわけがない。窓や出入り口のない壁に装飾的につけられたのが付鴨居、構造的に材木(ざいぎ)と壁との間に若干の透き間があり、かってはへそくりの隠し場所ともなった。(上等な普請では小さな材木で蓋をする) ガラシャ夫人の最後に当たっては、この鴨居の透き間に火薬を入れまわして爆発させたと、殉死した河喜多氏の文書は伝えている。遺骸を直接傷めることなく、一気に火中にするるにはまさに現実的妙案と言える。

 二つの(又はそれ以上)和室を仕切る建具の上部に欄間なるものがある。建築大辞典は「天井と鴨居の間に設けられた開口部」と、味も素っ気もない。是もまた採光や通風、換気を考えての事であろう。言語学的に何故「欄間」なのかと常々思っていたのだが、あるとき「蘭」好きの友人が、「蘭の香を運ぶ為のしつらい」だとのたまう・・・これには成る程と合点してしまった。如何・・・

 建築の世界に長く身を置いてきたが・・・・こんなものである。嗚呼。
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四郎との まいる  (一)

2009-04-10 08:01:25 | memo
    一ふて申まいらせ候 上さま御使松平いつさま・戸田さもんさま
    
    おんまへにめしいたされすなハち小兵衛を御つかいつかハされ

    候まゝ一ふて申進し候 われ/\なとすておかれ候て長々めい

    わくなる仕合なさけなくそんし候 しろのうちニこもり申候 ぜンち

    よ出され候ハゝ我々ともそこもとへ被遣候ハんとの御事ニ候間其

    御心得なされへく候 いつわりとおほしめし候ハゝいつれの口へ

    なりとも返事次第ニいて合たいめんさせられ候ハんとの御為ニ候

    とかく/\おの/\と一所ニいつれのミちニも成行申度候まゝ御

    ふんへつを以人かへ給様になされ御報まち申候恐々かしく

      二月一日             四郎母
                            まるた
                         同あね
                            れしいな
         ますた
           甚ひょうへとの
         同
           四郎との
                まいる
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