ある論考をコピーしたのだが、前のページに興味ある一文が会あった。作家・まついけさこさんの文章だが、題名は判らない。最後のページのみがあるのだが、どうやら幕末期の自らの先祖について書かれているようだが、戊辰戦争では親族が官軍と賊軍に別れ敵同士になったというのである。
私が共感したのは最後に書かれている文章である。
「現代に生を受けた者はみな幸運な人びとの子孫である。遠い過去に遡れば、先祖の誰かしらは必ずや他人の命を踏みにじって生きのびたはずなのだ。身のふたもないようだが、それが人間の歴史というものではないか。かくして歴史を取り入れた小説を書くとき、わたしはうまく生きのびた人間の末裔として、子孫を残せなかった人びとを何らかのかたちで鎮魂しようという思いに絶えずかられるのだった。」
私も100%同感である。歴史狂いをして以降その想いを強くしている。随分運の悪い人生を歩んできたが、考えてみればこの世に生を受けることが出来ただけでも、めっけものではないか。
松井今朝子氏の著作については、残念ながら未読である。直木賞を受賞された折のTVを拝見して、歌舞伎に大変詳しい方だと知った。そんな程度の知識しかない。
ja.wikipedia.org/wiki/松井今朝子
これはちょっと急いで読まなければなるまいと思っている。