津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

時代小説のヒントとなる事件

2010-11-04 10:01:49 | 徒然
             或云鎌田何某町を通る時二階より唾を吐たりしに 
             少も不知躰二て行を彼者跡より来り御待可被下と云尚
             不知ふりに行しかと引止め頻二断る故不便の事なりと
             て抜打二打捨たると也

 上の文章は2010/2/9のブログ「風説秘話-7-」でご紹介した、いわゆる無礼打ちに関する話である。

 鎌田某なる侍が街中を歩いていたら、二階家から唾を吐きかけた者がいる。
侍は知って知らぬ躰でその場を去ろうとするが、二階にいた正直者の町人は駆け下りてきて、盛んに断りを言う。ことが公になると捨て置くことは出来ない、不憫ながら切り捨てたというわけである。

 まことに不条理な事件だが、一方では当然の帰結として捉えられたであろう時代の背景がある。この四行に満たない文章をよくよく読んでいると、いろいろな情景が浮かんでくる。
おおいに妄想を膨らませて、時代小説の一つなりとも書き上げてみたいものだと思ったりしている。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする