沢村宇右衛門が米田監物にあてた書状である。
来ル十二日拙者
小屋へ被為成付而
貴様儀御相伴を
被仰出候間其御心得
可被成候已上
閏十二月九日
■(より・表示できず)
監物様 宇右衛門
參
江戸藩邸においての事であろう。宇右衛門の小屋へ忠利公がお見えになるにあたり、監物に御相伴をする様にとの仰せであるから、そのつもりでお出いただきたいという意である。
この書状はよく見ると左肩が下方から細くきられている。また上下に約25㍉巾で折り目が見える。
右から巻取り最後はこの細く切られたものでき切り封をしたことが伺える。切り封の部分にある墨の跡は上は「監」の文字の一部、下は「〆」の一部であると思われるが、実験数回でなんとか実証された。左端の黒い部分は経年により変色したものであり、本文の部分はきれいにしていることが判る。
(当初、捻り封とかいておりましたが、三左衛門様のご教示により訂正いたしました)