「塘」という漢字があるが、その読みは一般的には「とう・どう」とされる。熊本ではこれを「とも・ども」と読む。
意味としては「堤」と同義語だが、熊本以外ではあまり使われていないのではないか。「方言漢字」の範疇に入るのかもしれない。
先にご紹介した「石塘(いしども)」その他「一夜塘(いちやども)」「銭塘(ぜにども)」、江津湖畔(加勢川)の堤は「江津塘(えづども)」と呼んだりする。
例えば人の名前にしても「塘田(ともだ)」という性があるが、どうやら熊本や福岡に集中するようだ。出処は熊本か?
私が若い頃は、ご老人たちが「塘を歩いてくる」などという話ことばがあった。
厄介なことにこのような文章を書く時、「とう」でも「とも」でもなかなか漢字変換がすぐできないのが頭痛の種である。
「つつみ」とした方がより速い。
調べてみると「くまもと自転車紀行」というサイトがあって、その中に「くまもと塘めぐり」という前後編の記事が見え、ポタリングで走り回り調べて居られるようだ。(前篇) (後編)
当然全県下ではないが相当数あることが判る。よくぞ調べられたと感心する。
「堤」とせず「塘」とこだわるのは、いかにも熊本モッコスという気がしている。