少し本棚にスペースを確保したいと思い、古い本は一度目を通して処分しようと思い立った。
そんな中「幕末明治・女百物語」という古い本をめくっていたら、栞がわりの紙がでてきた。
捨てようと思い何気なく裏を見たら「字引・よったり・袖珍本」とある。私の字だ。
処で「幕末明治・女百物語」という本は、篠田鉱造と言う人物が大正から昭和初期に旗本の夫人や御女中、町家の女房衆その他多くの人にヒヤリングした「お江戸の女性聞書覚」とでもいうべき佳書である。
時代小説家のネタ本と言われるものである。
江戸末期から明治初頭の、江戸城中、大名や旗本の有様や混乱ぶり、町家の有様などを知ることが出来る。
この栞代わりの紙切れが、この本の内容と連動しているかはよく判らない。(どうも関係ない線が強いように感じる)
字引は辞書の事だが、「よったり」が良くわからない。これはPC検索にかけてみたら「四人」とでてきた。
そいえば、私の祖母あたりが使っていたような記憶がある。袖珍本にはルビを振っているが「ちゅうちんぼん」とある。
もう死語なのかPCに読みを打ち込んでも文字変換さえしてくれない。
もっともこれが何かは知っていたが、明治から昭和の初期あたりまで、着物を着た学生ならずとも袖や懐の中に入れた文庫本よりやや大きいハードカバーの本の事である。
この栞(?)の文字、いつ書いたのか、何の意味があるのか、思い出すはずもなく謎である。
この栞まがいの紙切れの登場で、これの本は処分は出来ないなと思い、読み直しの候補として本棚に戻した。
ネタ切れの昨今、時折内容を取りあげてみたいと思いついた。