津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■御大工棟梁善蔵ゟ聞覺控-3

2022-04-13 06:38:07 | 史料

       みづのみはからいやらすみ石など       水の見計らいやら隅(角)石など
       のおきかたとなははりのときや        の置き方と縄張りの時遣
       りかたのいかんとなんべんも/\       方が駄目だと何遍も/\
       すへかたをやりなほしたりまた自       据え方をやり直したり自
       分で手を下しておんなはつた         分で手を下して居られたぞ
       ぞ 今ときの人のでくるこつかい         今どきの人の出来ることか
       ああいふ御とのさまは人であって       あゝ言うお殿様は人(神?)であって
       ぼんじんじやなかつた            凡人ではなかった
       めづらしいおじひのふかいおかた       めずらしい御慈悲の深いお方で
       であのおとのさまのこつならほねみ      あのお殿様の事なら骨身
       をおしまづにはたらくきになつ        を惜しまず働く気に成った
       とつたばい                 のだ
       御国にござつたときはつゆからぼんす     御国に御座った(居られた)刻は梅雨から盆
       ぎころまで白川・くま・きくち        過ぎ頃迄白川・球磨川・菊池川
       川なんきやおりおりお馬や          等々折々馬や
       おかちでみまわりになつておんな       御徒で見回りになっておられ

       はつたが御先代様の時はけらいし       たが御先代様(忠廣)の時は家来
       ゆうの中によこしまな人がごつた       衆のなかに邪な人が御座った
       のでおまりなさるこつあすくなか       ので御廻りされる事はすくなか
       つた                    つた
       みづなわひきの時とわんどをお        水繩引きの時とわんど(湾処)をお
       しきのときやみづからなはを引        敷きの時は自ら縄を引
       きめされてごけらいしゅうのかん       かれて御家来衆の勘
       ぐるばかりのおみはからいには        ぐるばかりの御見計らいには
       おともしておつた自分たちも         御供をしていた自分たちも
       おどろくこつが多かつたばい         驚くことが多かったよ
       川の中のすながわんどのところで       川の中の砂が湾処の所で
       みずそこふかくきり/\かやつ        水底ふかくきり/\返っ    「馬場楠のはなぐり」の事か?   
       ては下にながしにになされたあ        ては下流に流しに為されたあ
       のやりかたはしよせんじやなか        のやり方は所詮ではなかった
       どういふあみだしのはてやらね        どういう編み出し(アイディア)の結果やら
       ひぜんのしゅうはかんしんしておつ      肥前の衆(成富兵庫等)は感心して居ったよ
       たばい

                     

       

コメント
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