津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■熊本城の水攻め

2022-08-13 11:21:59 | 歴史

          
          紫色が水没地域。熊本城右下の舌状部分は追い回し田畑、かっての白川の大蛇行の痕跡である。

 今月の熊本史談会で講師を務めることになったので、いろんな本を読んで勉強をしている。
そんな中で、熊本城顕彰会が発行する会誌「熊本城」の、平成三年二月二十二日の復刊第一号から四十一号までをまとめた合本に目を通している。
富田紘一先生の「古写真物語」は第二号から始まっているが、第四十号(平成十二年十一月二十二日)では「西南戦争の背景」として、熊本城水攻めの「堰止め地」とされる細工町五丁目の坪井川が紹介されていた。
写真の解説がないと皆目どこがどこやら理解することが出来ない。坪井川を締め切るべく高さ5mを越える「堰」が一週間ほどで突き上げられた。
上図でみると左下に「堰」とあり、主に井芹川水系の横手・島崎・花園などの地区が冠水しているが、古町・新町地区が冠水していないところを見ると、水深は余り深いものではなかったようである。
(国土地理院の地図で標高を確認すると、2.5mほどの高低差がある。
妙解寺の塔頭近くの住宅は、床上ぎりぎりと言った感じである。

かっての白川の大蛇行の痕である追廻田畑の低地が水没しているのが興味深いし、また坪井川水系上流部の低湿地帯も広く冠水している。

薩摩の桐野利明は、明治5年3月熊本鎮台の長官として熊本に赴任してきており、城下の有様には詳しく、また高麗門などを解体している。
そんな桐野は熊本城籠城などのことなどが頭をかすめていたのかもしれないが、攻守所をかえ熊本城をせめることになると、水攻めに当たっての堰き止め場所など精通していたのであろう。
熊本城の事はすべて頭にあると言っていたかっての熊本城の守将も、清正公の堅牢な御城に完全に跳ね返された。

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■8月熊本史談会例会の御案内

2022-08-13 06:15:31 | 熊本史談会
 熊本史談会例会を下記要領で開催いたします。恥ずかしながら当サイト主宰の津々堂が講師を相務めます。
 
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                   記
 
     期日:令和4年8月20日(土)午前10時~11時45分
     場所:熊本市民会館 第6会議室
     演題:清正公さんの夢の具現に努力した男の記録
             「御大工棟梁善蔵より聞覺控」をひもとく
     講師:熊本史談会会員、「サイト・肥後細川藩拾遺」主宰
                   津々堂こと ■■■■             
 
     一般参加自由:
              参加費 500円を(資料代を含む)申し受けます。
       資料準備のため事前にご連絡をお願いします。電話(  090‐9494‐3190 眞藤) 
       尚、開会前に当会例会を催しますため、入場は9:50頃からと致します。
       又、当日はコロナ対策の爲、マスクの着用とご記名をお願いいたします。
 
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          熊本史談会8月例会資料
                            令和4年8月20日

       清正公さんの夢の具現に努力した男の記録
            ―御大工棟梁善蔵ゟ聞覺控」をひも解く

      1、本資料と編者 沢田延音編「民政記録」に所収された書写記録 昭和38年編・全412頁
      1、善蔵と編者・善三郎について
      1、その成立年 寛永十年以降
      1、資料的価値について
         ・一次史料としての是非
         ・「茶臼山ト隈本之絵図」との類似性
      1、その内容と加藤清正の事業

        ■土木事業の夫々
         ・石塘と石塘堰 (坪井川開削との関係)
         ・鵜瀬・馬場楠の鼻ぐり・遥拝堰・びわん首その他
         ・鍋島藩成富兵庫という人
         ・その他
        ■熊本城に係わること
         ・善蔵が語る熊本城築城の経緯
         ・着工時期(建て方という言葉をどう取らえるか)
         ・関係者について
            加藤清正・小西行長
            下津棒庵・飯田覚兵衛・森本儀大夫・三宅角左衛門
            宗久隆
         ・宇土城の解体と移築 天守と御門

         ・高麗門・三丁目御門の建設
         ・その他 城下町の形成、えいとう節、熊本城に係わる逸話など

      1、資料 レジュメ1枚・原文縮小版5枚・茶臼山ト隈本之絵図1枚、文字起し文及び現代語訳+文中の文語解説9枚

 
     
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