奥方が少し目が出たカラ芋(さつま芋)を小瓶に入れて水栽培とした。
そろそろ一週間、枝ぶりよく葉が茂ってきたが、大きく成った枝がそろそろ頭をゆらゆらさせているので根元から切ってみた。
又良い姿になったので、あと一週間ほどは大丈夫だろう。
切った枝をゴミ箱に入れようとしたら、奥方が「野菜サラダに入れようか」と冗談を言う。
私がよく、小さい頃食糧難でカラ芋の葉や茎を油いためにして食べた、という話をよくしていたのを受けてのことである。
一瞬、今なら食べることが出来るだろうかと考えた。
朝からTVをみていると、いろんな名前も知らぬようなレトルト食品などが良く紹介されている。
共働きの奥さんなどは、これを大いに活用して毎晩食卓はレストラン状態といった風情であろう。
私は一応戦中派、熊本大空襲も経験して防空壕にも入った。防空ごうと隣の御宅には「焼夷弾」の油布か何かが落ちてきてボヤ騒ぎがあったのだそうな。
母は洗濯中に飛行機の機銃掃射を受けた。たらいを被ったというが、当たらなかったからよいものの何の役にも立たないだろう。
ウクライナの理不尽で悲惨な状況や、中国の昨今の軍事行動などを見るにつけ、なんだか不穏な空気感がある。
何事につけ輸入に頼る日本は、モノの値段は高騰するものの、TVの世界は能天気で食べ物とお笑いばかり、そんなことは別世界だよと言いたげである。
世界各地で飢餓が心配される中、こんな風潮で良いのかと心配になる。
いみじくも奥方の冗談で、幼い頃の食糧事情を想い、複雑な気持ちになった。
長崎・広島の原爆投下、そして終戦記念日をむかえるにあたって、改めて平和のありがたさをかみしめて居る。