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キニナルキ、あや懐かし

2023年06月19日 | 雑記帳
 以前、カテゴリーにも挙げていた「キニナルキ」のように並べてみた。


 林望氏のエッセイ「一騎討ちの伝統」を読んで頷いた。

 やはり「白兵戦」よりも「一騎討ち」という美学を日本人は好むのではなかろうか

 まだ記憶に根強く残るWBCでの侍ジャパンの活躍。最高の瞬間として投手大谷翔平と打者マイク・トラウトの対決から、そんな結びを導き出している。相撲や剣道を持ち出すまでなく、そういう伝統は他国より強いイメージがある。個性を抑えつけられてきた歴史があるとすれば、その裏返しでもあるのだろうか、そんな考えが浮かんだ。


 脚本家中園ミホのインタビュー記事にあった一節だ。

 半径5メートル以内で聞こえる声に社会の真実があると思う。

 「物事を俯瞰で見ること」に努めてきたつもりだが、能力的な限界を感じている今の自分には、救いのような声だ。ただし、要は半径5メートルにどれだけの人がいるか、自らどこまで動けるかが条件になる。コミュニケーションの場は多様、拡大しているが、直接身体で聴きとり、感じ、考える姿勢をどれだけ保てるか。





 姜尚中の連載エッセイにあった、一つの表現が目に留まった。

 大学は「干物」を扱う世界なのだ。それに対して、テレビは「生もの」を扱うメディアである。

 ここでの「干物」とは「じっくりと長い時間をかけて人間や社会の移り変わりを探求する」ことを意味している。この比喩の汎用性は結構広いのではないか。「生もの」ばかりに翻弄されている世の中、それではどうしても落ち着かない。確かに新鮮で躍動感はあるのだが、じっくりとした味わい、噛みしめ甲斐のあるものと言えば…。