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参参参(38&39&40)乱読の極み

2023年12月16日 | 読書
 ひと月以上、メモを残せずに棚や机の上に寝かせられていた本たち。
 雑な読み方、粗末な扱い…「参」と名づけた意味を、年の大詰めになって思い起こせ。


『人口減少社会の未来学』(内田樹編  文春文庫)
 11名の論考。井上智洋という経済学者の「頭脳資本主義の到来」が心に残った。今はAIによる第四次産業革命が始まっているが、まだ自分は第三次の中であたふたしている。


『たいのおすそ分け』(林家たい平  主婦と生活社)
 再読。17年前の連載エッセイ。落語家の書く文章は軽妙洒脱というイメージがあるが、たい平のそれは真面目が強い気がする。いい声、技術をもっているから一皮むけてほしい。




『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎)
 再読。2000年代中盤から終盤の世相を漫画で描く。発刊は2011年。現代社会を見つめる彼女の眼はどこまでも俯瞰的であり、多重的であり、その展開には改めて恐れ入る。


『先達に学ぶ 野口芳宏第二著作集13巻』(明治図書)
 11月下旬の会で師匠と話したある事を確かめたくて開いた。徐々に姿を消す一徹な職人の聞き書きが貴重だ。さらに「立ち合い授業」の討論の記録など読み出すと止まらなかった。


『なれのはて』(加藤シゲアキ 講談社)
 秋田が舞台であり興味を持ちつつ読む。素材、展開はやはり面白い。直木賞候補になるのも頷ける。ただ、あまりに詳細な叙述をどうみるか。全て伏線になり得たのか、個人的には分かりづらかった。




『ご機嫌の法則100』(伊藤 守  ディスカバー21)
 90年代後半にはよくこの手の本が出版された。結局、言われ続けている内容とあまり変わるわけがない。何度繰り返されても、分からない人は分からない。残るものだけが残る。それで楽しめ!!


『脳にいいことだけをやりなさい!』(M・シャイモフ 茂木健一郎訳 三笠書房)
 上の著を、脳科学的知見で味付けすればこうなるかなあという一冊でしょう。持ってはいけない二つの「神話」があるという。「いつか神話」「もっと神話」。なるほどね。


『私の好きな孤独』(長田弘  潮文庫)
 ここ数年でぐっと沁みるようになった詩人。このエッセイは内容が外国篇が多いので少し捉えきれなかった。ただ、それでもメモしておきたい(せざるを得ない)文章が多かった。今年中に…


『氣の呼吸法』(藤平光一  幻冬舎文庫)
 一年に二度ほどは呼吸関係の本は読むようにしている。書かれている内容は同一でないことが多いが、根底にあるのは「ゆるやかな流れ」を意識することだ。意外に身につきつつある。