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手放す覚悟が新しい道へ

2024年01月20日 | 雑記帳
 先週、町と商工会主催の新春祝賀会講演会に参加した。講師は大学の先生、テーマは地域活性化で、なんとなく内容が予想できてしまう。ある程度想定した形で結論を述べられたが、その過程で紹介された「保有効果」プロスペクト理論の話は、なるほどと思って聴いた。日常行動にも当てはまるかもしれない。




 コイントスをして「裏が出れば無条件でお金がもらえる。しかし表が出たら1万円払わないといけない」設定で、いくらもらえれるとすれば、そのゲームに参加するかという問いが出た。会場でもそうだったが、多くの人は2万円から2万5千円程度だそうだ。その比較は「入手済のモノの価値の高さ」を表している。


 つまり、同じ1万円であっても「損による不満足」と「利益による満足」は同程度ではない。これを行動に当てはめてみた場合、現状維持から新規への変更は、比較して2~2.5倍ほどの価値が期待できないと、躊躇うことになる。自分自身で選択できる要件において、多くの人はそんな思考をしていると言えるのか。


 今ある状況から異なる状況を選択する場合、メリット・デメリットを相殺しながら判断する。その際2倍の差がつかないと踏み切れないとは言えまい。実際には「現状に対する満足」の度合いと「新規価値」に魅力を感じるタイプかどうかが、大きく影響するのではないか。つまり性格と習慣が作用し、単純ではないと思う。


 先のコイントスの問いで「10万円ぐらい」と応えた方がいた。出典の意図を明らかにし、新しさへの変化はそんなにハードルが高いのかと笑いあった。ともあれ「入手済みのモノ」を手放す覚悟がなければ、新しい道を歩み出すことなどできない。先は短いだろうが、もう少し身軽になってもいい。まずは書棚からね(笑)。