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興行は格好よく、面白い

2024年07月29日 | 雑記帳
 名古屋場所が終わった。今場所は直接足を運んでもいるので書き留めておこう。大相撲観戦は三回目。国技館を諦めての名古屋行きだったが、今年で終わりになるという歴史ある体育館での開催も思い出になった。やはり生はいい。下衆な言葉で言えば見世物、正式には興行だから実際の目耳で感じるものはやはり強い。




 今回は「西」の真ん中の席で、仕切りや立ち合いについては見えにくい位置だった。その点の不満が残る。相撲を見続けるとその二つはポイントとして外せない。いわゆる儀式的な部分にある形式美と精神性は、実際の勝負への期待と予想を高める。テレビ観戦をする多くの高齢者にもそうした要素は多いはずである。


 人気の高い大相撲本場所には、様々な層のファンが入り、掛け声をかける。それを現場で耳にして「格好いい」響きについて考えた。酔客や集団での大声は該当しない。子どもの声援も論外だ。それは明らかに「芝居」への声かけと共通している。短く明確、もしくはリズムを持ってしこ名が叫ばれると気持ちいい。


 さて、肝心の結果は序盤を見ての予想通り、そしてある面期待した通りに横綱の優勝で終わった。琴櫻の取りこぼし(いや、それは実力であり、つまり力を発揮できない弱さということだ)がなければもっと白熱しただろうが、現段階の差がくっきり出た。隆の勝の奮起に驚きつつ、力量からは全くおかしくない流れだった。


 二力士の大関陥落、大関復帰ならずという現実は、新しい力の台頭を求めている。今年中の二場所で望みが出てくるようなら楽しい。大の里は当然にしても、小結平戸海の頑張りは、注目してみていきたい。体格、体重差を超えての戦いの面白さこそ醍醐味である。格闘技に関しては、五輪競技とは比べるべくもないと思う。