すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

年の「頭」の読み聞かせは…

2025年01月10日 | 絵本
 急な予定が入り、8日スタートとなったこども園読み聞かせ。今日まで3日間連続通うことになった。新年ということを意識したラインナップ。最初は「餅」をテーマにしたこの一冊。『おもちのきもち』(かがくいひろし 講談社)。とても好きな作家だが年長児向けはあまり数はない。今回は季節モノなので導入に最適だ。



 「お正月にお餅を食べた人はいるかな」と訊いても、全員の手は挙がらない。地域差がある印象だ。もっとも自分も今年はまだ…。少し餅つきのことに触れてから読み聞かせた。次は「今年はナニ年か、わかる?」と干支を出して、へびの話を2冊続ける。最初は「へびのくび」(織田道代・きくちちき フレーベル館)



 生物学的には蛇の首があるとは思えないが、「スカーフをまいて似合うところ」というオチはなかなか素敵である。短いがウイットに富んでいた。次は「ながいながいへびのはなし」(風木一人・高畠純 小峰書店)。これは、見開きを上下2段にして、一匹のヘビを上に「あたま」下に「しっぽ」を描く独特の画面構成だ。


 あまりに長いために何から何まで違う暮らしぶりの「あたま」と「しっぽ」。久しく合わずにいて急にどうしているか心配になり…という展開が、妙にファンタジーである。要するに二つの人格?が存在する形なわけだが、子どもたちも自然と話に入っていく。さて、やはり肝心なのは「頭」と「尾」だ。今、まさに年の頭。


 最後は「ウィルとふゆのおきゃくさん」(光村教育図書)。森の一軒家に住むウィルのところへ、次々と動物が訪ねてきて一緒にベッドに入る話だ。いわば有名な「てぶくろ」の変形バージョン。最後の大きな熊の登場がクライマックス。みんな共生できればいいのだけれど、現実は甘くない。だからこその絵本読みでもある。