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生きるの宝石箱を見つける

2024年12月11日 | 読書
 図書館で、ある挨拶のための材料探しをしていたら、詩集の棚にB6版横型の本を見つけた。それはRe91『生きる わたしたちの思い』(谷川俊太郎with friends 角川SSC)。続編のRe92『生きる わたしたちの思い~第2章~』(同前)である。2008年、2009年の刊となっている。初期のSNS「mixi」から始動した。


 そこで、谷川俊太郎コミュニティが作られ、著名な詩『生きる』というトピックが立てられ、その詩をつなげていく試みが呼びかけられた。自分もやったなあと思い出したのは、このトピックの参加ではなく、担任していた教室で子どもたちに向けてだった。あの詩の持つ解放性、拡散性とリズムは、魅力的だった。

 
 「生きているということ いま生きているということ」…作者がその後に記したコトバを、失礼ながら例示と考えると、読者一人一人に湧き上がってくる「生きている」瞬間の切り取りが始まる。そのトピックへの書き込みが「すごいスピードで、それこそ破竹の勢いで(略)刻まれ」たことは想像できる。確かに熱を感じる。


 それはこの詩が、圧倒的に「体感」を表現するにふさわしい形式やリズムを持つからにほかならない。例えば、第2集の最後にある高校生の作品「生きる それは 頭の中一杯に 広がる 『腹へった』」。もちろん、長い一篇の詩と呼んでいいページもある。駄洒落っぽく「生きるの宝石箱やあ~」と形容したいほどだ。




 元アナウンサーを聴き手に行った講演会の記録Re93『赤ちゃん・絵本・ことば』(谷川俊太郎 NPOブックスタート・編)を読んだ。谷川が乳幼児用絵本に取り組むエッセンスがよく伝わる冊子。「声の言語」「無意味」「ナンセンス」…いくつかのキーワードがある。結論は、まず自分が声を出し楽しめるかとなりそう。


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