Re87『魂のみなもとへ』(谷川俊太郎・長谷川宏 朝日文庫)。5年前の冬に読んでいて感想を残してある。再読し付加しておきたい箇所が二つあった。一つは「子どもは駆ける」という詩に付けられた「駆ける子ども」の文章だ。かなりの頻度で幼い子と接しているからだろうか。やけに心に響いてくる一節がある。
「子どもが反復を厭わないのも、まるごとの体がいまを精一杯に生きているからだ。(略)いまという時間をまるごと生きるからだは、同じことを何度くりかえしても、そのたびに経験が新鮮なのだ。」
「精神は反復をきらう」(ヴァレリー)から導くと自然、肉体は反復を好む。理解出来るのは、いかに子どもの精神が自然と肉体から分化していないかだ。ここに教育のヒントがある。さて、もう一つは「結構な死にかた」。これは谷川の詩「しぬまえにおじいさんのいったこと」に集約される。三つあるとだけ書いておく。
雑誌連載集約のRe88『みらいめがね②』(荻上チキ・ヨシタケシンスケ 暮らしの手帖社)。副題は『苦手科目は「人生」です』…生きづらさという語が頻発されている社会での思考や振舞いについて率直に語っている。基本的に「虫の眼」で事象と言葉を見つめ、それが「鳥の眼」と呼応して鋭い「めがね」だと思う。
以前から気になっていたRe89『その本は』(又吉直樹・ヨシタケシンスケ ポプラ社)を、目覚めの早い朝の寝床で一気に読みきった。又吉の「第3夜」「第7夜」は印象的だ。ヨシタケは、まさにワールド全開でもはや哲学的と言っていいかもしれない。「本」という物体の正体に考えが巡る。P137の工夫に驚いた。
「子どもが反復を厭わないのも、まるごとの体がいまを精一杯に生きているからだ。(略)いまという時間をまるごと生きるからだは、同じことを何度くりかえしても、そのたびに経験が新鮮なのだ。」
「精神は反復をきらう」(ヴァレリー)から導くと自然、肉体は反復を好む。理解出来るのは、いかに子どもの精神が自然と肉体から分化していないかだ。ここに教育のヒントがある。さて、もう一つは「結構な死にかた」。これは谷川の詩「しぬまえにおじいさんのいったこと」に集約される。三つあるとだけ書いておく。
雑誌連載集約のRe88『みらいめがね②』(荻上チキ・ヨシタケシンスケ 暮らしの手帖社)。副題は『苦手科目は「人生」です』…生きづらさという語が頻発されている社会での思考や振舞いについて率直に語っている。基本的に「虫の眼」で事象と言葉を見つめ、それが「鳥の眼」と呼応して鋭い「めがね」だと思う。
以前から気になっていたRe89『その本は』(又吉直樹・ヨシタケシンスケ ポプラ社)を、目覚めの早い朝の寝床で一気に読みきった。又吉の「第3夜」「第7夜」は印象的だ。ヨシタケは、まさにワールド全開でもはや哲学的と言っていいかもしれない。「本」という物体の正体に考えが巡る。P137の工夫に驚いた。