ちょっと難しそうな本でも読んでみようかと借りたは良いが、案の定難しかった…とりあえず、本書中で紹介されている古今の作品をリストアップ。
(実存のパート)
ニコラウス・コペルニクス「天体の回転について」
アルベール・カミュ「シジフォスの神話」「異邦人」
ブレーズ・パスカル「円錐曲線論」「パンセ」
フランツ・カフカ「変身」「審判」
デカルト
カント
ヘーゲル
セーレン・キュルケゴール「死に至る病」
ドストエフスキー「罪と罰」
サルトル「嘔吐」
(構造のパート)
ギリシャ神話
レヴィ・ストロース
ガルシア・マルケス「百年の孤独」
バルザック
フォークナー
プイグ「蜘蛛女のキス」
ボルヘス「汚辱の世界史」
志賀直哉「暗夜行路」
紫式部「源氏物語」
大岡昇平「俘虜記」
武田泰淳「蝮のすゑ」
石原慎太郎「太陽の季節」
大江健三郎
中上健次
こうして見ると、半分くらいは読んだことある。であれば、「さぁこれが実存ですよ、はい読んで」ではなく無意識に実存や構造と言った作品構成に触れてはいるわけだ。それで、本書を読んであぁあれが実存だったのか、構造とはそういうフレームワークなのかと振り返れたかと言えば残念そこまでの理解には至らなかった。
そもそも実存って何?現実を見ること?それを客観的に分析すること?そんなことできるの?と言う疑問が最後まで解消されず、それは著者の責任ではなく本書の読解レベルに達していない自分のせいだが、その引っ掛かりが最後まで続き消化不良感の強い後味になってしまった。でもせっかくなので、もう少し平易な解説書でも読んで再チャレンジしてみたい。
2012年11月30日 出張先・香港のホテルにて読了