下記に、リンクしておく。
⇒ 権現谷エリア・お願いと注意点
TCNet関係者の方には、ほんと世話になっている。
地元の方、地主さん、自治会・地元区長・行政等への折衝、クライミングの紹介等、大変な労力と時間を費やしていると思われる。
トラブルは完全に無くなった訳ではない。
今後、我々ひとりひとり、基本的なモラルに注意して、
「登らせてもらっている」という謙虚な気持ちで、訪問したいと思う。
「茶々と家康」秋山香乃(文芸社)
茶々三部作、これにて読了。
秀吉の没後から関ヶ原、大阪冬の陣、夏の陣、豊臣家の滅亡が描かれる。
2度の落城を生き延びた於茶々であるが、3度目は無かった。
なお、秀吉の正室・於祢(北政所)は、徳川の世に変わっても生き続け、天寿を全うする。
人それぞれ。
重厚な作品で、読みごたえがあった。
例によって、私は人間関係に興味がある。
千姫と秀頼は仲が良かったのか?
於茶々と千姫は?
(物語を読んでみて)
於江は姉・於茶々の死をどう受け止めたのか?
(そのあたりは、書かれていない)
なお、落城にあたり、於茶々は出来る限りの者を逃がしている。
(以下、転載)
このとき於茶々に助けられた者たちはみな、豊臣のいなくなった徳川の世で、毎年集まっては死ぬまで於茶々の供養を行った。謀反人への供養は命がけだったにもかかわらず、それは一世代だけに留まらなかった。ずっとその後も子孫へと受け継がれ、幾百年と於茶々の冥福を祈り続けることになるのである。
PS
敵方とは言え、柳生宗矩がかっこいい。
石田三成を「護衛」するシーン。
さらに、夏の陣で、秀忠の護衛が手薄になる。
馬の口取りの甲賀者と柳生宗矩の2人だけになる。
この時、秀頼側から7人が槍をもって切り込んでくる。
一瞬にして勝負が決まり、これが柳生の『七人斬り』として伝説となる。
【ネット上の紹介】
慶長3年(1598)年8月18日、太閤秀吉は死んだ。
於茶々は強力なうしろだてを失い、豊臣家の将来、秀頼の行末に大きな不安を抱く。
その原因は、もちろん天下を狙う徳川家康である。
頼りにすべき北政所(於祢)は家康の策にはまり、実力者・前田利家も死す。
唯一の豊臣家忠臣・石田三成が、全知全能をふりしぼって「秀頼・茶々大事」の一点で、
家康追落としのため様々に画策するが、それがかえって豊臣家諸将の反発を招く。
慶長5(1600)年9月15日の関ヶ原の戦は、戦術的には豊臣方(西軍)が優勢であったが、
西軍の内部崩壊があきらかだったため、勝敗は自明の理であった。
徳川政権の存続・安定を願う家康は、豊臣家滅亡に執念を燃やす。
成長した秀頼に危機感を覚えたのである。
家康の懐柔策に、秀頼は名を惜しみ決戦を覚悟。
女として母として迷いに迷った於茶々は、幼少からの願いである浅井家再興を二の次にしてまで秀頼に従い、政治家として大阪冬の陣・夏の陣に挑む――。
斯界注目の女流歴史小説家が3年の歳月を費やし、渾身の力で書き上げた
「茶々と英傑」シリーズ3部作(信長・秀吉・家康)の最終巻、遂に完成!!
PS2
次回は、於江をヒロインとした作品を読んでみたい。
(昔、永井路子作品で読んでいるけど)
現在、他の作家も書かれている。
著者が変われば、雰囲気も変わる。
↑これがいちばん有名かな?
「東宮の求婚」松田志乃ぶ(コバルト文庫)
シリーズ七冊目、最新刊。
こ表紙をみて、読むのを躊躇するかもしれない。
しかし、特定の読者だけに、この面白さを独占させるのはもったいない。
一般の小説に比べて、なんら遜色ない内容。
むしろ、一般の小説が、この面白さを見習うべき、と感じる。
それぞれ登場人物の思惑、立場がきちんと書かれ、計算されているが、
それでいて、物語のダイナミックさが損なわれていない。
見事である。
参考までに、過去シリーズ作品名を、下記に列挙する。
「秘密の乳姉妹」
「見習い姫の災難」
「恋する後宮」
「姫盗賊と黄金の七人」(前編)
「姫盗賊と黄金の七人」(後編)
「ふたりの東宮妃」
「東宮の求婚」
なお、今作を読むにあたり、前作「ふたりの東宮妃」を読み返し、そのまま「東宮の求婚」に突入した。
PS
この面白さ・内容に匹敵するのは、著者全体の創作活動を考えると、
氷室冴子さん(「ジャパネスクシリーズ」「クララ白書シリーズ」等)と、
荻原規子さん(「勾玉シリーズ」「RDGシリーズ」等)くらい。
松田志乃ぶ作品は「ジャパネスクシリーズ」に匹敵する、と感じる。
荻原規子作品は全て読んでいる。
いずれも面白く、ハズレなし。
このレベルの高さ、ただものではない。