
「大江戸ミステリー」、だけど、ちょっと毛色が異なる。
未来の話・・・日本から「江戸」が独立し、治外法権を得て、鎖国する。
著者は江戸オタク、と思われ、蘊蓄が語られる。
かなり正確な江戸が再現され、そこで謎の疫病が流行る。
これは何者かの意図によるものなのか?
江戸入国をはたした辰次郎が長崎奉行ゴメスのもとで、謎を追う。
以上、あらすじ。
う~ん、奇抜な発想だけど、江戸描写が詳細なので、入り込んでしまう。
ただ、私としては以前読んだ「烏金」の方がおもしろく感じられた。
こちらも江戸を舞台にしているが、「金融」に的を絞って描写。
登場人物の描写もこなれているように感じた。

【ネット上の紹介】
300倍の難関を潜り抜け、日本から江戸国へ入国を果たした大学生の辰次郎。連れは、元外資系金融勤務の時代劇オタク松吉(NY出身・24歳)&28ケ国を渡り歩いた海外旅行マニアの奈美(25歳)。身請け先は、容貌魁偉、冷酷無比、極悪非道、厚顔無恥、大盗賊も思わずびびる「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守だった!ゴメスは、辰次郎に致死率100%の疫病「鬼赤痢」の謎を追えと命じる―。第17回日本ファンタジーノベル大賞・大賞受賞作。