「無理」奥田英朗
地方都市を舞台に展開する「最悪」「邪魔」に続く群像劇。
様々な年齢職種の5人の男女。
彼らの人生、毎日の生活が詳細に語られる。
もう圧倒的なリアリティ。
ちょっとした行き違い、躓きから転がっていく人生。
未来に光はあるのか?
いったいどのように物語は収束するのか?
著者の筆力は見事。
PS
それにしても、この閉塞感・・・たまりません。
これが日本の縮図なんでしょうね。
表紙カバー、雪の上のタイヤ・・・最終章でやっと意味が分かった。
【私の読んだ奥田英朗作品スターグレード評価表】
最悪 ★★★★★ (講談社)
東京物語 ★★★ (集英社)
イン・ザ・プール ★★★★★ (文藝春秋)
マドンナ ★★★☆ (講談社)
邪魔 ★★★★☆ (講談社)
ウランバーナの森 ★★★☆ (講談社)
空中ブランコ ★★★★★ (文藝春秋)
サウスバウンド ★★★★★ (角川書店)
ララピポ ★★★★ (幻冬舎)
町長選挙 ★★★★ (文藝春秋)
ガール ★★★★★ (講談社)
家日和 ★★★★ (集英社)
オリンピックの身代金★★★★☆ (角川書店)
邪魔 ★★★★☆ (講談社)
無理 ★★★★☆ (文藝春秋)
【参考リンク・最新作について】
奥田英朗さん、初の新聞連載小説「沈黙の町で」
http://book.asahi.com/clip/TKY201105020071.html
【参考図書】
【ネット上の紹介】
合併でできた地方都市、ゆめので暮らす5人。相原友則―弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー。久保史恵―東京の大学に進学し、この町を出ようと心に決めている高校2年生。加藤裕也―暴走族上がりで詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマン。堀部妙子―スーパーの保安員をしながら新興宗教にすがる、孤独な48歳。山本順一―もっと大きな仕事がしたいと、県議会に打って出る腹づもりの市議会議員。出口のないこの社会で、彼らに未来は開けるのか。