「血と骨」梁石日
読みごたえがあった。
これくらいの重さと濃度があると、「読んだぞ!」って気分になる。
ほんと、重量感のある作品である。
大阪の戦中・戦後が濃厚に描かれて興味深い。
私は大阪在住なので、地理関係はおおよそ分かる。
中道、今里、布施、鶴橋、上六・・・馴染みのある地名ばかり。
それでも、大阪地図を横に置いて、確認しながら読んだ。
(例えば、大阪空襲の時に、どのような経路で逃げたのか、地図で確認しながら読んだ)
タイトルの「血と骨」であるが、次のように書かれている。
朝鮮の巫女の歌の中に、血は母より受け継ぎ、骨は父より受け継ぐ、という一節がある。朝鮮の父親は息子に対してよく「おまえはわしの骨(クワン)だ」というが、それは家父長制度を象徴する言葉であった。血もまた骨によって創られることを前提にしているからだ。土葬された死者の血肉は腐り果てようとも骨だけは残るという意味がこめられている。血は水より濃いと言うが、骨は血より濃いのである。
ところで、『猪飼野』をご存知だろうか?
大阪の歴史を語る上で重要キーワードである。
その歴史は『日本書紀』にさかのぼる、と言う。
猪飼野を含むこの周辺エリアには、朝鮮半島の百済から渡来してきた人々が多く住んでいたため、奈良時代から平安時代にかけて、百済郡(くだらのこおり)と呼ばれていた。そして、百済郡が消滅した後も猪飼野の地名は残り、江戸期から明治中期にかけては「村」を、それ以降は「町」を表す地名でありつづけた。しかし、昭和48年(1973)の住居表示制度の施工によって、ついに生野区から猪飼野の地名が消滅。現在では、「猪飼野橋交差点」と「猪飼野新橋」の二ヵ所にのみ、猪飼野の名が残されている。(「大阪地名の由来を歩く」若一光司)
この「血と骨」は猪飼野を中心舞台に展開する。
登場人物も街もはげしく濃度が高い。
戦後闇市の描写など、非常にリアル。
これはオススメ、激しさに圧倒される。
【参考リンク】猪飼野とは・・・ウィキペディアより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8C%AA%E9%A3%BC%E9%87%8E
【ネット上の紹介】
1930年頃、大阪の朝鮮人密集地域の蒲鉾工場・東邦産業で働く金俊平は、その巨漢と凶暴な性格で極道からも恐れられていた。ある日、飛田遊廓の女郎・八重の虜になって錯乱した同僚が、自分の腹を切り裂いて死ぬという騒動が起こる。興味を抱いた金俊平は八重の淫蕩な女体に溺れて水揚げするが、逃げられてしまう。自棄になった金俊平は警官隊を叩きのめして東邦産業を馘になり、太平産業へ移る。数カ月後、金俊平は飲み屋を経営する子連れで美貌の李英姫を凌辱して強引に結婚するが、かつて賭場の争いで半殺しにした極道たちとの大乱闘の末、大阪を離れる。直後、太平産業では朝鮮人労働者の解雇をめぐる激しい労働争議が起こるが、それは太平洋戦争前夜の暗い時代の幕開けに過ぎなかった。
ルカラに行って、5月課題をトライしてきた。
4月から新しいスタッフ・カンちゃんが入った。(1D/1W)
課題に違った味が加わった、と感じた。
さて、白テープ20本トライしてウォームアップとする。
次に、5月課題を順番にトライ。
白テープ5課題・・・いつもと同じくらい
赤テープ5課題・・・左トンネル根元から始まる課題が難しくて、何度もトライした。(かなり消耗)出だしのマッチが難しい。抜けの部分のオレンジも悪い。微妙な体重移動必要。
黄テープ5課題・・・1撃したのはルーフ課題のみ。奥壁前傾凹角課題は右手を返す体勢にならず苦労した。奥壁前傾課題は手数が多く持久力系。本来なら得意パターンだけど、パワー不足でスカばかり。キノコ岩奥の垂壁凹角は出だしマッチが悪い。何度もトライするがダメ。最後の垂壁課題だけど、時間切れ、燃料もエンプティ状態。
以上、簡単な感想。
今月は課題自体が難しいのか、自分の体調が悪くて難しく感じるのか?
4月下旬に脇腹が痛くなって、寝返りうてない状態。
少し練習を休んでいたので、体調不良なのかも。(・・・という事にしておく)