「RDG レッドデータガール」(4)荻原規子
シリーズ最新刊。(カレンダーに印を入れて、ずっと待っていた)
面白さ失速せず、ストーリー益々盛りあがってきた。
前作では夏休みの途中で終わったので、今回どこから始まるのかな、と思って読み始めた。
う~ん、そう来たか。
前作を思い出してもらいながら、巧く繋ぎましたね。
さて、今回も姫神顕現。
でも、まさかこういう登場をするとは思わなかった。
意表を突かれた。
泉水子は「・・・・姫神は・・・悪い女だと思う」と発言している。(P225)
私の見たかぎりでは、そう感じない。
何千年も生き、過去も未来も見てきたのに海千山千の印象をうけない。
つまり現在、泉水子の器の影響をかなり受けている、と感じる。
そんな泉水子の性格をよく表現しているセリフがある。(P33)
「わたし、そんなふうに、だれもかれも疑ってかかるのはいや。だれひとり信用しないのなんて、気持ちが暗くなるばかりだもん。毎日が楽しくなくなっちゃう」
次回は、いよいよ学園祭。
いったい高柳一条は何を仕掛けるのか?
私の予想では、過去の層・・・・戦国時代を現代に重ねてくる、と思う。
そして、自分は秀吉側の武将となり、宗田真響、真夏を北条氏に見立てて滅ぼそうとする。
それを助けようとして、泉水子は姫神を呼ぶのか?
和宮と一体化した深行は、どう活躍するのか?
紫子や、大成は絡んでくるのか?
山場まっしぐら、怒濤の展開、第4巻であった。
PS
蕎麦文化について触れている箇所が興味深い。(P145)
「昔、山岳修行者がいた場所には、今でも蕎麦文化があるそうだよ」
さりげない話題として、穂高が言った。
「山で修行をする人々が、木食といって、五穀断ちをしたからだ。人間が耕作した穀物を、修行中に食べてはいけないんだ。けれども、蕎麦は五穀のうちに入らないからね。蕎麦粉は、湯で溶くだけでも栄養がとれるし、旅人の食糧としても重宝しているものだった」
ちなみに、私は何度も大峰山系に足を運んでいるが、『蕎麦文化』を感じたことは無い。
関西と関東では異なるのだろうか?