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「ユニット」佐々木譲

2011年09月21日 21時50分56秒 | 読書(小説/日本)


「ユニット」佐々木譲

この作品に様々なテーマを読むことが出来る・・・「少年法」「犯罪者の更生」「加害者と遺族」「残された者の心の傷」「家族」。(単に、エンターテイメントとして読むこともできるけど)
このブログをずっと読まれている方は気づいたかもしれない。
先日読んだ「心にナイフをしのばせて」(奥野修司)の関連か?、と。
・・・そうなんです。
あの時、「少年法」や「遺族」の問題を考えてしまった。
そんなわけで、テーマ関連ありそうな、この作品を読んでみた。

本作品はミステリとしての面白さも追求しながら、ストーリーを展開していく。
17歳の少年に妻と子どもを殺された男が主人公。
この男性がいかに苦しみ、葛藤し、心の傷を乗り越えようとするかが作品の読みどころ。
その分、加害者の少年が、いかにもな「悪役」として描かれる。
「いかにも」なんだけど、リアリティがある。
いったいどうなるんだ、とハラハラしながら読んだ。
一気読みのおもしろさ。

【参考リンク】
「心にナイフをしのばせて」奥野修司

【ネット上の紹介】
十七歳の少年に妻を凌辱され殺された男、真鍋。警察官である夫の家庭内暴力に苦しみ、家を飛び出した女、祐子。やがて二人は同じ職場で働くことになる。ある日、少年の出所を知った真鍋は復讐を決意。一方、祐子にも夫の執拗な追跡の手が迫っていた。少年犯罪と復讐権、さらに家族のあり方を問う長編。