ROCK & SNOW 2011秋号 No.53
日曜日に「ロクスノ」最新号#53が届いた。
2つ特集がある。次のとおり。
★特集「日本のボルダー2011」
・旭川周辺のボルダー
・奥日原ボルダー
・小川山/八幡沢上部
・瑞牆山/金山沢ボルダー
・高知/黒潮ボルダー
・広島/戸河内
・大分/奥岳川・尾平
・宮崎/日之影・比叡・祝子川
★第二特集「世界の“極難”マルチピッチ」前編
・スペイン Naranjo de Bulnes/Orbayu
・スイス Ratikon/WoGu
・イタリア Dolomites/Solo per Vecchi Guerrieri
・パキスタン Nameless Tower/Eternal flame
・アメリカ El Capitan/Dawn Wall・Mescalito project
これ以外に、私が興味を覚えた箇所を紹介する。
次のとおり。
「レスキュー大全」廣川健太郎、P074-075
山岳遭難でのリーダーの過失責任は、講習料の授受などにかかわらず、引率に近い立場であれば車の運転と同じく「業務」と判断される可能性が高いことだ。(中略)
一方で、登山では転落・滑落の危険があり、クライミングでは墜落の危険があるからロープを使うのであり、危険なことは承知のうえで、安全策を講じながら行動する行為である。このため、あらかじめ了解した危険の範囲、結果には自己責任も求められる。
(ちょっと上達すると人に教えたくなるし、実際教えている方も多い・・・危険認識と安全への配慮で「講習」の質をある程度判断出来る、と思う。byたきやん)
「クライミング道場」中根穂高、P076-077
より高難度を登るために勉強し、練習する人は多くても、上手なビレイヤーになる努力をする人はまずいません。そうなんです。ビレイは、ほとんどの人が、見よう見まねでやっているのです。
(ビレイは性格要素も大きい。基本中の基本は登っているクライマーから目を離さないこと・・・これさえ出来ていないビレイヤーが少なからずいる。この基本が出来てはじめて、ビレイテクニックが構築できる。byたきやん)
「カサメリ沢とギャラクシアン」内藤直也、P104
このエリアを開拓した内藤さんが、オススメルートとグレードについて書いてくれている。
もし、カサメリに行くなら、すごく参考になる、と思う。
さて、今回もっとも読みごたえのあったのは、池田常道さんの「ラインホルト・メスナーとナンガ・パルバット」の記事。P010-011と関連記事がP78-79にある。
結局のところヘルリヒコッファーは、本質的に登山の素人でありながら、異母兄と同様に登山界から崇拝されることを求めつづけていたのかもしれない。そのために彼は、自分には不可能な役割を果たさせるため、そのときそのときに台頭してきた有能な新人クライマーに思いを寄せ、自己同一化を夢見てきたのだといえるかもしれない。
大人数遠征記録とか読むと、非常にどろどろしたものが噴出している。
それでなくとも「個性的」な方の多い登山界、クライミング界、である。
長期間一緒に(朝から晩まで)生活をするとどうなるか?・・・想像してみて。
(でも私は、どろどろした人間くさいところがおもしろい、と感じるけど)
Editor'sNote、で池田常道さんが過去から現在、ラインホルト・メスナーに会ったときの様子を語っている。初めてメスナーと会ったのは1976年、と。
同伴した女性はウルズラ(ウシー)、庇護者だったフォン・キーリン伯爵の奥方だった女性だと、不覚にもあとになって知りました。2年後のナンガ・ディアミール壁単独登攀のときに同行したのは、同じウルズラでもずっと若いグレーター、ミュンヘンの女子医学生でした。80年エベレスト単独登攀のときは、たしかカナダのニナ・リッチー・・・・・・。今回せっかくインタビューできたのに、登山同様に華麗な女性遍歴については聞きそびれてしましました。残念。
う~ん、そこをつっこんで欲しかった。
メスナーさん、公私ともに華麗な方なようで、ある意味納得、感心した。
さすが人類史上初8000m全14座無酸素登頂する方は、女性にも果敢に挑むんでしょうね。
(港ごとに女のいる船乗りのように、14座それぞれに「思い出の彼女」がいるのだろうか?)
池田常道さん、って文章もいいけど、人柄もおもしろそうな方だ。
【参考リンク】
ラインホルト・メスナー
『ROCK & SNOW 2011秋号 No.53』