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「大江戸科学捜査八丁堀のおゆう」山本巧次

2015年09月07日 20時49分20秒 | 読書(小説/日本)


「大江戸科学捜査八丁堀のおゆう」山本巧次

江戸の両国橋近くに住むおゆう。
同心の伝三郎とともに殺人事件の謎を追う。
普通の時代小説と異なるのは、タイトルにあるように「科学捜査」を行うこと。
おゆうの正体は、アラサー元OL。
江戸と東京を自由に往復し、犯人を追い詰めていく。
ただし、問題もある。
当時の江戸では、指紋もDNA鑑定も理解してもらえないこと。
いったいどうやって白州までもっていくのか?

P232
おゆうの手元には決定的な証拠がある。指紋だけではない。久之助の遺品からサンプルを採取できれば、DNA鑑定を実施して例の手拭いに付着していた血液と唾液が久之助のものだと確定できるだろうし、おそらく相州屋の汗も検出できるだろう。他の状況証拠と合わせれば、平成の検察官ならほぼ確実に殺人罪で起訴するはずだ。だが、ここは江戸。指紋鑑定も、DNAも、科学捜査と呼べるものは一切存在していない。

最後に、とんでもない秘密が明かされる。
次作はどうなっていくのか?

【蛇足・・・今後の予想】
私の予想では、『時間犯罪』の取り締まりに移行する、と思う。

【ネット上の紹介】
江戸の両国橋近くに住むおゆうは、老舗の薬種問屋から殺された息子の汚名をそそいでほしいと依頼を受け、同心の伝三郎とともに調査に乗り出す…が彼女の正体はアラサー元OL・関口優佳。家の扉をくぐって江戸と現代で二重生活を送っていたのだ―。優佳は現代科学を駆使し謎を解いていくが、いかにして江戸の人間に真実を伝えるのか…。ふたつの時代を行き来しながら事件の真相に迫る!