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「歴史に学ぶ」半藤一利

2015年09月22日 07時46分18秒 | 読書(昭和史/平成史)

1930年生まれ、文藝春秋社元・編集長。
昭和史第一人者・半藤一利さんのコメント。
それは、具体的、且つ現実的、リアリストの印象を強く受けた。

「日本が米国の戦争責任にどう向き合ってきたかという歴史の問題と、いま安倍首相が見せている米国追従の姿勢の間には、つながりがあると思っています」

「中東へ自衛隊の精鋭部隊を送ったら日本列島の守りは薄くなります。それをカバーするための軍事費の膨張は、経済や財政の現状に照らして可能なのか。そういう議論をすべきだと思います」

「地政学的に海岸線が長い日本には、もともと敵からの攻撃を防ぎにくい弱みがあります。だから近代に入って日本は国土の『外』で国を守る戦略を採り、朝鮮半島や中国大陸に軍を送ったけれど、結果は悲惨な惨敗でした。今はもっと守りにくい状況です。海岸線に40基以上の原発がある。それを責められたらお手上げです」

「武力だけでは守れない、貿易と外交力を軸にしたほうがいい。理想主義だと批判されますが、それが現実だし、本気で検討すべきだと思います」

――この先、日本は「一番」を目指すべきでしょうか。
「目指すも何も、単純に『不可能』でしょう。こんなに自給自足ができない国、借金が1千兆円もある国が『大国』になれるわけがない。それが現実です」

1915年9月19日朝日新聞より