大票田であるフロリダのプライマリーは、ケインのエンドースにも関らず、ギングリッチはロムニーの後塵を拝することになりました。撤退したペリー、ケインがギングリッチ支持を表明する一方で、誰もロムニーを支持する人はいません。つくづく人望のない人だなあと思います。スピーチを聞く度に、空きカンなみの空虚さと、それをごまかそうとするためかやたらオバマを攻撃してみたり、他人を攻撃することで優位に立とうとする無意識から出る傲慢さ、いちいち鼻につきます。この人が、アメリカの政治と社会に対してどういうビジョンを抱いているのか、理解してみようとするのですが、話の内容から、ただの美辞麗句とオバマやライバル候補の悪口を取り除くと、全く何もありません。中身はないが権力欲だけは人一倍という感じがします。空きカンそっくりです。
フロリダという土地は、極論すれば、引退老人とヒスパニック移民の土地です。引退老人の政治的熱意はよくわかりませんが、少なくとも、フロリダで引退できるということは金にはそこそこ余裕があるはずで、ならば次の大統領が誰になっても別に気にしない、という人が多いのではないでしょうか。ヒスパニック移民は共和党をそもそも支持しないでしょうから、彼らもどうでもよいと思っているでしょう。そして、選挙後の出口調査では、4割近くの人が投票したい候補がいない、と回答したそうです。ならば、ニューハンプシャーのプライマリー同様、金に任せて大キャンペーンを張って、「聞いた事のある名前の候補に投票する」タイプの人々の票を取り込んで、一見、圧勝したかのように見えるロムニーですが、支持絶対数を考えれば、本戦でオバマに勝つのは無理でしょう。万が一、この経済危機の最中にロムニーが大統領になれば、大地震と原発事故を利用して首相に居座った空きカンのように、その国民に非常な苦難が与えられることになるだろうと思います。かといって、ギングリッチでも大同小異でしょう。共和党の指名はこのどちらがとっても、本戦で勝つ可能性は(今のところ)低いですし、勝ったところで、どっちがなっても余り明るい未来が見えません。
しばらく大統領選の話は3月のスーパー チューズデーまで余りしないことにしたいと思います。