百醜千拙草

何とかやっています

死神に魅入られる

2016-08-16 | Weblog
終戦記念日とは言うものの、沖縄では戦争はまだ続行中です。本土では無条件降伏を受け入れ、サンフランシスコ条約で主権を回復したことになっていますが、結局、それは、沖縄をアメリカに差し出すこととの引き換えという「密約」に基づいたものでした。それから二十年、沖縄返還。しかし、これは、アベ氏の伯父、佐藤A作がノーベル平和賞となった「非核三原則」のウラで沖縄への核持込みを認める「密約」を交わして上でのこと。つまり、沖縄返還という形式を整えるために、実質、沖縄をアメリカ軍占領地として実効支配させるという取引をしたということでしょう。形式上は戦争は終わり、主権は回復し、沖縄は返還された、しかし、すべては表向きだけの話。その「形」をつけるために、現在も払わされている代償は大きく、最もそのしわ寄せを受けているのが沖縄だということだと思います。沖縄、それから一般国民に黙って、沖縄を差し出し、核の持込みも容認して、形だけ独立したように見せかける、「密約」とはすなわち、国民にウソをつくことであり、社会の根幹にあるべき「信頼」を損なう行為です。いろいろ言い訳もあるでしょうが、ウソで塗り固めるのも結局は、政権と政府役人の身を守るためということです。ま、ウソをつかない、正直な政治家というものはいないのですが。

沖縄高江での県民と地元住民の意思を無視しげ米軍ヘリパッド建設を強行する日本政府、相変わらず県外からの機動隊を動員してまでも、住民を力づくで排除して、工事を進めつつあります。何が悲しくて、占領軍の基地を国民の税金から出した金で作ってやって、そこに住んでいる日本国民の土地と権利を力づくで取り上げられないといけないのか。何とも、この売国政府の情けなさ。

対して、アメリカの退役軍人を中心とする市民団体が、開催中の総会で、日本政府の沖縄に対する差別行為、売国行為を「恥知らず」と糾弾。

 
【平安名純代・米国特約記者】全米120支部、8千人以上の会員を擁する米市民団体「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)」は11日、米カリフォルニア大学バークレー校で第31回年次総会を開幕した。1月末に設立されたばかりのVFP琉球沖縄国際支部(VFP-ROCK)も初めて参加。ダグラス・ラミス会長は、「名護市辺野古の新基地建設と高江の二つの闘いを抱えた現状は厳しいが、この闘いに必ず勝つ」と述べ、総会を通じて米国で支援の輪を広げる意欲を示した。、、、、VFPのマイケル・マクファーソン事務局長は沖縄タイムスの取材に対し、米軍属の男による暴行殺人事件や新基地建設計画など在沖米軍基地を巡る問題への認識を示した上で、「われわれ一人一人が沖縄の問題とどう関われるかが問われている。自分の問題として捉えられれば支援の輪は広がる」と述べ、協力する姿勢を示した。


滅びの道をまっしぐらとしか思えない日本政府ですが、ちょっと前に四国の原発再稼働のニュースを見て、もう連中はすでに死んでいるのだ、そういう運命なのだと思いました。

時々、死神に魅入られたとしか言いようのない例を見ることがあります。一つ一つはそれほど重大に思えない事柄が順番にポツリポツリと起こるのですが、些細な事情で一つ一つの対応を誤り、結果、知らぬ間に取り返しのつかない状況に追い込まれていくというような例です。そういう例を後になって振り返れば、幾つかの判断の分岐点で、立ち止まってもう少し慎重にやっていたら異なった結果になっていたかも知れないというような反省点が見つかるものですが、現在進行形では、後から見れば当たり前のことでさえ分からず、なぜか次々に小さな悪手を連発して、着実に破滅に向けて進んでしまうのです。

おそらく、政府関係者であっても、個々の人間は、誰でも原発で処理のできない危険な廃棄物が大量生産されることは「よくないこと」であり、核燃料を大量に冷却保存しないといけない原発は危険なものであって、速やかに老朽化した原発は廃炉にして、核燃料の安全な保管方法を開発しないといけない、まずは処理法のない危険な核廃棄物を作らず、危険な原発の運転を中止しておくべきだと思っているだろうと思います。立ち止まって冷静に考えれば、誰でもそういう当たり前の結論に達するでしょう。しかし、その当たり前のことができず、我欲ににとらわれて、むしろ逆の判断をして、悪い方向へと着実に進んでしまうのが今の「死神に魅入られた」日本政府です。外から見れば、まさにキチガイ沙汰、愚かの極みなのですが。

続 壺 齋 閑 話、事故を気にしていたら原発ビジネスは成り立たぬ:伊方原発再稼動 から。

四国の伊方原発が再稼動した。九州の川内原発の二基に続いて、実質的には三基目の再稼動になる。先日鹿児島県知事になった人が川内原発停止の意向を強く示しているなかでもあり、また、伊方原発自体にも様々な問題が指摘されている中での再稼動とあって、どうみても無謀な見切り発車といわざるを得ない。

まず、伊方原発自体の問題点。この原発は南海トラフ地震が起きた場合の最前線に位置する、それに加えて先日九州の大地震を起こした断層帯が付近にまで伸びている。そうした事情を抱えたなかで、果たして巨大事故に耐えられるだけの万全の備えができているのか、かなりな疑問がもたれている。また、事故が起きた場合の非難計画のずさんさも指摘されている。この原発は、細長く伸びた佐田岬半島の付け根にあるが、その西側には5000人以上の人々が住んでいる。その大部分は65歳以上の老人たちだ。万が一原発が事故に見舞われたとき、この人たちが安全に非難できるのか、愛媛県の作成した計画を見る限りでは、まことに心もとないといわざるを得ない。

こうした懸念に対して愛媛県知事は、この原発は厳しい安全チェックをクリアしており、巨大事故が起こることはありえない。だから、安心して欲しいというような言い方をしている。しかしもしものことがある、というまっとうな疑問に対しては、そもそも起きるはずのないことを心配しても仕方がない、といって取り合おうとしない。

これは、一部の日本人に特有な、「都合の悪いことは起きて欲しくない、起きて欲しくないことは起きないことにしておこう、起きもしないことは想定する必要がない」、という理屈を反映したものだ。

このほか、この原発は、いわゆるMOX燃料を採用しているが、これについては最終処分の見通しもたっていない。これでは、某元首相がいったとおり便所のないマンションを売りつけるようなものだ。

こうした疑念に対して、事業者としての四国電力も、地元の愛媛県も、納得できる説明はしていない。そんな説明をし始めたら収拾がつかなくなると思っているからだろう。「事故を気にしていたら原発ビジネスは成り立たない」というわけか。、、、

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする