百醜千拙草

何とかやっています

やがて本土でも起こること

2016-08-09 | Weblog
瓢箪から駒のようなプロジェクトが結構、面白い話にまとまりそうになってきています。これからラストスパートという段階なのに、事情で人がいないのが辛いです。しかし、振り返れば、いろいろな偶然が重なって結果で、大変感慨深いです。明らかにこれは私の実力ではなく、数多の偶然と幸運の結果です。このプロジェクトは資金が尽きかけている時に転がってきた話で、マウスも一発射つのが精一杯、もし一発で成功しなければ、ハイそれまでよ、という博打的状況で始めたものだったのです。おそらく、私のコントリビューションで最も大きいものは、その決断だっただろうと思います。まだ最後の追い込みに力を注がないといけないので、振り返って感慨にふけっている場合ではないですし、実は研究費申請書の準備という最も重要な仕事を並行して進めないといけないので、まだまだプレッシャーの多い日々です。

さて、参院選が終わり、政府の強権的行動がますます目に余るようになってきました。政府に誠実さとか思いやりとかを求めても詮無いことなのは当然なのですが、政府の沖縄に対する行動には心の底からの怒りと悲しみを覚えます。

東京新聞、辺野古問題 早期結審を要求 政権「本音」あらわ から。
沖縄県の基地問題は、参院選が終わった途端、政府の強硬姿勢に拍車が掛かってきた。、、、
ほかにも沖縄振興予算の減額を示唆したり、反対運動を排除して米軍施設工事に踏み切ったりするなど、しばらくは動きを控えてきた建設計画を進めたい本音を隠さなくなってきた。 、、、
 政府と県は三月、乱立していた新基地建設計画にかかわる訴訟をすべて取り下げ、新たな訴訟で争うと同時に判決確定まで「円満解決に向けた協議を行う」ことで和解した。、、、、参院選で新基地反対の民意があらためて鮮明になったにもかかわらず、政府は投開票から約二週間後の七月二十二日、話し合いの継続を求める翁長氏を提訴。さらに、地元住民らの反対運動で止まっていた県北部の米軍施設建設を同日再開した。、、、、安倍晋三首相は基地問題を抱える沖縄に対し「県民に寄り添う」と配慮の姿勢を見せてきた。だが、参院選が終わり、政府高官は「沖縄問題は建前が多すぎた。今後は本音でいく」と明言した。


田中龍作ジャーナルから。【沖縄・高江発】 オスプレイ阻むテントは守られた 住民減る週明けに再び危機 
沖縄、高江での政府の横暴に対しての島民と支援者の講義行動を伝えています。
前夜(5日夕)、テント前で建設反対集会が開かれ、沖縄県内外から1千人以上が結集した。参加者の大半は車やテントなどで夜を明かし、現場に残った。警察は大人数が残っていることを当然知っている。
7月22日にあった強制排除・第1弾のようにはいかない。ゴボウ抜きは機動隊3人で、住民1人を抱える。それが500人以上もいたら、まず不可能だ。土日が終われば、オスプレイ用ヘリパッドの建設に反対する人々の多くは現場から去る。機動隊と防衛局は、それを見計らって強制排除に乗り出すとの見方が有力だ。、、、
読者の皆様。沖縄で今起きていることは、いずれ本土で起きることです。マスコミが報道しない惨状を伝えるために赤字を覚悟で足を伸ばしました。ご支援、何とぞ宜しくお願い致します。


そして、危惧した通り、週明け、機動隊は、道路を無法に閉鎖して、一般車両を排除した上で、座り込む抗議者を力ずくで排除。

抗議の住民・市民と機動隊との間で激しい揉み合いとなる場面も見られた。「アンタたちは誰を守ってるんだ?」「売国奴アベのために働いてどうするんだ?」・・・機動隊員に罵声が浴びせられた。
憲法22条で保証された「移動の自由」を妨げる、道路交通法の何条にあたるのかも分からない道路封鎖が公然と行われる。それが高江だ。憲法も法律もあったものではない。警察を動かす官邸がその時々に勝手にルールを作って運用するのである。 自民党改憲草案のうち最も危険とされる「緊急事態条項」。その先取りが今、沖縄で実施されている


また、先週末、アベ氏夫人が抗議活動中のテントを訪問したという話。

首相夫人が高江訪問 着陸帯反対の市民ら戸惑い 
今回の訪問は、昭恵さんが高江のヘリパッド問題などを描いた映画「標的の村」を鑑賞したことをきっかけに「現場を見たい」と三宅さんへ相談したことがきっかけ。、、、
沖縄平和運動センター大城悟事務局長は、昭恵さんが基地建設を強行している首相の夫人であることから「一国民とは違う。『見たいから来ました』というのは人として疑う。県民の反対する声を聞いて総理に沖縄の現状を伝えるなら良いが、そうはならないだろう」と否定的な見方を示した。


その後、全国紙もこの事件を取り上げました
 、、、(アベ夫人は)FBで、訪問の理由について「対立、分離した世の中を愛と調和の世界にしていくための私なりの第一歩」と説明。安倍晋三首相に訪問することを事前には伝えなかったとも記した。、、、、
 抗議活動のリーダー的な立場の山城博治さんは昭恵夫人の訪問に関し「愛と調和と言うのなら、機動隊による暴力行為をやめさせるよう首相に求めてほしい」と注文を付けた。


果たして、アベ夫人の真意は何なのでしょう。アリバイ作りなのか、あるいは良心に目覚めたのか。今のところ、誠実さのない政府のウソつき首相の夫人という目で見られているせいか、この行動は懐疑的にしか捉えられていですが、いわゆる「蜂の一刺し」みたいになってくれたらいいのですけどね。

アメリカでは、退役軍人が中心となった市民団体が、今回の日本政府の蛮行を強く非難、今週の集会で高江のヘリパッド強行工事の中止を求める緊急決議案が審議される予定とのこと。

<米軍ヘリパッド>米団体が非難決議審議へ 「恥ずべき差別的行為
 同決議案を提案するのは、VFPの琉球沖縄国際支部(ダグラス・ラミス会長)。決議案は、新基地建設計画に反対する候補者が勝利した参院選の翌日に日本政府が高江の工事を強行着工したのは、「沖縄の民意は重要ではないとの明確なメッセージ」と指摘。約800人の機動隊員を動員して抗議する住民らを排除したのを受け「日本政府が沖縄を植民地と捉えていると再確認した」と述べ、「われわれ元米兵は、米軍が沖縄の人々に対するあからさまな差別待遇に加担していることを恥じ、激しい怒りを感じている」と批判した。
 そのうえで、同問題を解決するには、米政府が「米国はこの恥ずべき反民主的で差別的な行為に加担しない。米国は新基地を望まない」と日本に伝え、高江と辺野古の新基地建設計画を放棄するよう促している。


ウソつきの上に傲慢、思いやりと誠実さのカケラもない無法政権。返還の約束も、辺野古移設の合意条件も、誠意を持って協議するという合意も破ってきた政府の本音は、法律も合意も無視して、沖縄一県に、米軍基地を永久的に押し付け、対米隷属での利益は政権と中央官僚が享受したい、ということでしょう。現政権、一言で言えば、クズです。でもそのクズが力を握っているのです。

数年前の村上春樹さんのイスラエルでの「高くて硬い壁と、壁にぶつかって割れてしまう卵があるときには、私は常に卵の側に立つ」という演説を思い出しました。

私たちは皆、国家や民族や宗教を越えた、独立した人間という存在なのです。私たちは、“システム”と呼ばれる、高くて硬い壁に直面している壊れやすい卵です。誰がどう見ても、私たちが勝てる希望はありません。壁はあまりに高く、あまりに強く、そしてあまりにも冷たい。しかし、もし私たちが少しでも勝てる希望があるとすれば、それは皆が(自分も他人もが)持つ魂が、かけがえのない、とり替えることができないものであると信じ、そしてその魂を一つにあわせたときの暖かさによってもたらされるものであると信じています。

沖縄の側に立ちましょう。それは沖縄のためではなく、われわれ自身のためです。なぜなら、田中龍作さんも描かれているように、今、沖縄で起こっている国家の横暴は、放っておくと、やがて本土の国民にも間違いなく起こることだからです。国家の権力によって、無理やり自分の財産や家族や命まd奪われることになるでしょう。
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