百醜千拙草

何とかやっています

Shoot the messenger?

2016-09-02 | Weblog
マスコミは権力です。大手マスコミにデンツーなどの広告代理店経由で、政府、大手企業などから金が流れるわけですから、そういった「支配者層」にマスコミ言論というものは支配されているわけで、マスコミは「社会の木鐸」というのは建前で、そもそもが、権力者に都合の良いプロパガンダ流布装置であり、スポーツ、娯楽番組を通じた国民総白痴化計画の一環として発達してきたという側面を持ちます。もちろん、現場では、真実を伝えるための報道を行おうと真摯に努力している記者やジャーナリストの方も少なくないと思います。しかし、マスコミも会社組織であり、ビジネスです。スポンサーには逆らえません。会社も社員も生活も家族もあり、スポンサーに逆らって干されて飢えるぐらいなら、その手先となって良心を売るのもやむをえないと考える人の方が多いでしょう。

今回、反原発知事、新潟の泉田知事が4選目の知事選への出馬を撤回したとのニュースを聞きました。

ハフィントンポストから。
新潟県の泉田裕彦知事(53)は8月30日、次の知事選(10月16日投開票)への立候補を撤回すると、後援会のホームページで明らかにした。
泉田氏はホームページに掲げた文書の中で、地元紙・新潟日報社の報道を強く批判した。最も強調したのは、「日本海横断航路」に関する内容だった。、、、、新潟日報は7月から8月にかけて、県側が購入判断に関与していた可能性を報じていた。県側は計9回の申し入れや抗議文を新潟日報に送っている。これについて泉田氏は文書の中で「再三の申し入れにもかかわらず、訂正や説明もなく、最近まで県から申し入れがあった事実も報道してもらえませんでした。(中略)このため、県が組織的に虚偽答弁をしているのではないか等の誤った印象が形成されている」と新潟日報を強く非難した。

泉田氏は経済産業省職員を経て、2004年に自民、公明の推薦を受けて知事選に初当選し、現在3期目。、、、大きく注目を浴びたのは、福島第一原発のメルトダウンを巡る、東京電力への厳しい姿勢だった。東電が求める県内の柏崎刈羽原発の再稼働について、泉田氏は「福島の事故の検証と総括が先だ」と認めてこなかった。その発端になったのは、福島第一原発事故から7日後の2011年3月18日。泉田氏は柏崎刈羽原発の関係者を呼んで福島の状況説明を受けたが、メルトダウンについて「可能性を含めて認めなかった」ことを問題視した。新潟県は独自に「技術委員会」と呼ばれる有識者会議で福島の事故の検証を続け、技術委は東電に再調査を要求。東電は当初、メルトダウンについて「定義されていなかった」と説明していたが、2016年6月、「メルトダウンの判定基準が社内マニュアルに明記されていたが、5年間その存在に気づかなかった」と発表し、謝罪した。

2016年8月25日、東電は姉川尚史常務(原子力・立地本部長)が新潟県庁を訪れて泉田氏に謝罪した。、、、泉田氏の8月30日の文書では、新潟日報社の原発報道を巡る姿勢も批判している。東京電力の広告は、今年5回掲載されていますが、国の原子力防災会議でも問題が認識されている原子力防災については、例えば、県が指摘している現在の指針に従えば避難が必要になったときにはUPZ圏内の住民40万人強を2時間で避難させなければならなくなる問題等県民の生命・健康を守るうえで重要な論点の報道はありません

新潟日報、逆に知事の出馬撤退会見で、新潟日報の報道姿勢を批判したことをさらに批判して、「報道に対する圧力だ」と言ったそうです。それに関して、さらに反発。
毎日新聞から
任期満了に伴う新潟県知事選(9月29日告示、10月16日投開票)への立候補を撤回した同県の泉田裕彦知事(53)は31日の定例記者会見で、撤回の理由として名指しした地元紙・新潟日報が「報道機関への圧力にも等しい」との記事を掲載したことに対し、「事実に反する記事の訂正を求めることが圧力だというのは理解できない」と反論した。
 泉田知事は会見で、県が出資する海運会社の子会社の事業を巡る同紙の一連の報道に対し、訂正を求めたことについて「圧力だというなら、県からこういう申し入れがあり、我が社はこう思うと紙面上で議論すればいい」と指摘。「言論には言論で、というのが民主主義の鉄則だ」と強調した。

正論と思いますが、疑問は残ります。選挙に出れば、反原発の支持者層は厚いのだから、これぐらいのネガティブキャンペーンで落選するはずはない。こんな理由で撤退するのはおかしい、と考える人もいるようです。かつて、岩上さんのインタビューで、泉田知事は原発村のやり方を批判し、次の記事にあるように言っていたことから、原発村から脅されて、出馬を断念したのだろうと推測している人もいます。
「泉田知事、インタビューのあと、「ここまで言ったら危ないかも」と呟いた。:岩上安身氏」  原子力・核問題 (2013 9月

やはり何か脅されるネタがあったのでしょうかね。しかしそうなら新潟日報を批判してやめるというのは、スジがちょっと違うような気がします。いずれにせよ、脅しがあったとすれば、東電の広告を今年5回も掲載している新潟日報は原発村の手先だったわけでしょうね。出馬撤回の記者会見で、新潟新報を批判したのは、Shoot the messenger という感じだったのかも知れません。もしそうなら、オレだけに責任をなすりつけるなよ、と逆ギレした新潟日報の行動も分からんではないです。(が、同情は全くできませんね)
コメント
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