百醜千拙草

何とかやっています

卑怯者のやり口

2016-09-16 | Weblog
学会出発前に。

沖縄、高江で、住民の意思を無視しての政府の強硬な作業は続いております。しばらく前にアベ夫人が抗議住民のテントを見に来た事件がありましたが、以降、政府のやり方は強引さを増す一方です。かつての自民党にはなかった強引さで、しかも今回、沖縄振興予算を大幅にカットし、過去予算と基地問題はリンクしていないという立場を否定して、兵糧攻めにまで出てきています。政府のやり方は「卑怯」としか言いようがないです。この国の政府は誰のために働いているのか、建前は「国民」であり、その建前は少なくとも形上は尊重してきました。今や、本音が露骨なアベ政権、いくら宗主国の番頭代理だとは言っても、やり方が稚拙すぎるのではないでしょうか。

東京新聞、社説、「沖縄ヘリパッド 工事強行に理はあるか」 2016年9月14日

 沖縄県東村周辺で始まった米軍ヘリパッド建設をめぐる国の対応は看過できない。工事用重機の運搬に自衛隊機を使ったり、機動隊が抗議する人を強制排除したり、強引な進め方に理はあるのか。
 沖縄の小さな集落でいま、何が起きているのか。
 防衛省は沖縄県東村と国頭村にまたがる米軍北部訓練場でのヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)建設のために、陸上自衛隊の大型輸送ヘリを投入し、工事用の大型トラックを建設現場近くまで運んだ。住民らの抗議活動で資機材の搬入が遅れているためとはいえ、米軍施設の建設に自衛隊機が使われるのは極めて異例だ。
 ヘリパッド建設は、日米両政府が一九九六年に交わした合意の一つ。国内最大の北部訓練場の半分にあたる約四千ヘクタールを日本側に返す条件として、米側が既存ヘリパッドの移設を求めた。日本政府は沖縄の基地負担軽減策と強調するが、県民には米軍基地の再配置であり、機能強化だと映る。
 ヘリパッドは人口百四十人余りの東村高江の集落を囲むように六カ所が計画され、すでに二カ所が完成。垂直離着陸輸送機オスプレイが頻繁に飛来している。
 ヘリパッド移設が計画されてから、当時の那覇防衛施設局はオスプレイ配備について県民に情報提供する努力を怠ってきた。危険性が増すオスプレイ配備を心配する県民よりも、米軍への配慮を優先させることになった。
 沖縄防衛局が工事資材を搬入したのは、自民党の沖縄担当相が大差で敗れた七月の参院選翌日。安倍政権の対沖縄政策への異議が県民から度々示されているにもかかわらず、工事を強行するのは民主主義のあり方としておかしい。
 小さな集落を警察車両が物々しく列をなして走る。全国から動員された四百人とも五百人ともいわれる機動隊員が、座り込む人の手足をつかみ、ひきずる。けが人が続出し、逮捕者も相次ぐ。記者も取材を妨害されている。
 ヘリパッド建設地は「やんばる」と呼ばれる亜熱帯の生態系が豊かな森。ヤンバルクイナなど希少生物が多く、世界自然遺産登録も目指している。県民の水がめでもある森の上空をオスプレイが飛び、騒音は激しい。
 翁長雄志県知事は強引な工事を批判し、高江の住民や県議会は反対している。地方自治をゆがめ、人権や環境にも悪影響を及ぼす工事だ。地元の納得を得られないなら即刻中止すべきだ。


沖縄県知事が前知事が懐柔されて承認した辺野古移設許可を取り消したことに対して、県と国とで裁判になっているわけですが、その判決が間もなく出ます。国が沖縄にずっとウソをつき続けてきて、移設のために合意した条件を反故にされたので、移設許可を取り消したという経緯です。取引で言えば、偽物を掴まさせておいて支払いを拒否した方を、話し合いも無視して訴えたという感じです。チンピラヤクザがやりますな、コンテクストを無視して言質を取って言いがかりをつける、というのは。「一旦、承認したではないか、承認した以上、取引の内容がウソでもデタラメでも約束は約束だ」ちゅーことですな。「国」という看板を盾にして、立場の弱い沖縄をいじめる卑怯者です。
あいにく、最高裁まで行くことは最初から決定しており、最高裁は彼らの一味ですから、結局、国相手の裁判には勝てないのですが、少なくとも高裁では司法の矜持を示してもらいたいものだと思います。

辺野古移設16日判決、高裁支部 承認取り消しの適否焦点
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題で、国が翁長雄志知事の対応の違法確認を求めた訴訟は16日午後、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で判決が言い渡される。移設先となる沿岸部の埋め立て承認を取り消した知事の処分の適否が焦点。普天間問題の議論に影響を与えるのは必至で、結論が注目される。
辺野古移設を巡る国と県の対立に、司法判断が示されるのは今回が初。敗訴した側は上告する方針で、年度内にも言い渡される最高裁判決で決着する見通しだ。


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