百醜千拙草

何とかやっています

コロナと資本主義、金融システム

2020-05-19 | Weblog
コロナで、私が社会人になって以来、初めての急激な人間の活動抑制とそれにともなう様々なできごとが起きております。日本だけを見てみても、おりおりに災害、震災で局地的な大打撃はあったものの全国規模なのは戦争以来ではないでしょうか。

歴史は繰り返すで、敗戦後の高度成長期は、江戸末期に開国させられてからの日本と重なります。いずれもアメリカに屈し、その後、宗旨替えをしたかのように急激な西洋かとともに驚くべき変化を遂げました。開国後は、富国強兵、西洋諸国のマネをしてアジア諸国を植民地化しようとし、そしてロシアに戦争をしかけてマグレ勝ちをしたために調子に乗っていたら、実はすっかりカタにはめられていて、その結果、勝ち目のない戦争に突入し、然るべくして大敗したわけですが、その太平洋戦争前に現在は似てきているように思います。

日本は戦争によって大きな犠牲とともに全てを失いましたが、GHQが主導したとはいえ、それが戦後の民主主義国家(形式上は)として生まれ変わる機会となりました。最近の世の中の雰囲気やアベ政権のデタラメは戦前、戦中を思わせます。日本はまさに再び、負け戦に突入しようとしているのではないか、と感じるわけです。それは歴史の必然なのかも知れません。

先の大戦での敗戦は、もちろん指導部の無能が引き起こしたものです。連合国側は日本を追い詰めて開戦を誘い、思惑通りに日本が、真珠湾を攻撃してくれたおかげで、アメリカの経済は復活し、ロシアは火事場泥棒を働いて北方領土を手に入れ、中国は戦勝国となりました。現在の日本の不況、貧困化、それに加えてのコロナ禍での棄民、少なからずが、指導部の無能が招いたものです。アベ政権の外交、経済政策におけるありえないレベルの無能さに加えて、数にまかせて法律をねじ曲げ、官僚人事を握って、検察を手懐けたことをよいことに、アベ一味は犯罪行為のやり放題、国会と民主主義は形骸化され、近代国家とはとても言えない状況に陥っています。客観的に遠くから眺めれば、もう日本政府と政権は一旦、解体するしかないだろうとさえ思います。喩えるならば、アベという性の悪いカビの生えたミカンを放置したがために、いまや、みかん箱いっぱいにカビが広がっており、みかん箱すべてを焼却処分にしなければならない状況と言えばいいでしょうか。

さらに巨視的に眺めれば、現在、ウイルス禍によって、日本のみならず世界が戦闘状態にあり、敗戦に向かいつつあります。「敗戦」というのは、現代社会のStatus quoを維持したい立場からの言葉です。ウイルス感染を防ぐためにとられた活動抑制が現在社会の脆弱さをあぶり出しました。そのあたりを突き詰めて考えていくと、本当の問題は、実は行きすぎた近代の資本主義とそれを可能にしている現代の金融システムではではないのかと私は感じます。

金融システムの問題は前に簡単に触れました。現在の金融システムでの経済成長において、必然的に借金が積み上がっていく仕組みは、いまでは高校生の教科書にも載っているそうですけど、私がこの問題を知ったのは10年ぐらい前にしか過ぎません。それまでは、カネというのはある種の価値ある実体に裏付けられている(金本位制の時の金のような)のだろうと漠然と考えていました。しかし、どうやら現在の管理通貨制でカネというのは、タダの数字にしか過ぎず、その数字は実体と関係なく増えたり減ったりするものであり、より広い視野からみると、現代の金融システムはいわば壮大な詐欺だと捉えられないこともないと思うようになりました。(その辺の解説ビデオを最近みつけたので、下にリンクしておきます)その詐欺のレベルがあまりの大きいので全体のスキームを普通の人は実感できないということだと思います。

この金融システムの問題を解決する方法の一つととしてできたのが、Block chain technologyをつかう仮想通貨だと思います。理屈からいえば、現代に流通しているカネの方がよっぽど仮想通貨であり、Block chainでやりとりが記録されるビットコインなどの方がその点においては、はるかにしっかりしたシステムであると考えられます。残念ながら仮想通貨はその本来の役割を理解しない人々から投機の対象として濫用された結果、通貨としては現在広くは使われておりませんが、噂では、遠からずBlock chainを使ったvirtual な世界共通通貨が広く使用されるようになり、日本銀行券は発行されなくなるのではないか、という話もききました。

通貨発行の仕組み上、好況と不況のフレは大きくなるようです。好況時は人間の活動が行きすぎて地球環境を破壊するし、不況時は困窮から自殺者や犯罪が増え、戦争になったりします。現在、この金融システムと結びついた資本主義が人間性を損なっていると私は思います。これからの世界が人間性を回復していくために、行き着くところまできた資本主義とそれを支えている金融システムは、一旦、リセットされなければならないように思います。そして、今回のコロナでおこるであろう世界大恐慌がそれを後押しするのではないだろうかと思ったりしている次第です。

(二種類のカネ、カネの創造などについてのスタンダードな解説)
世界一の資産家レイ・ダリオ氏が解説する「30分でわかる経済の仕組み」 全文書き起こし (リンク先に動画版があります「30分で判る 経済の仕組み Ray Dalio」)

もうちょっと深く、「銀行」を歴史的に振り返り、問題点を解説するマンガ。例のユダヤ金融陰謀論。アメリカのドルを民間銀行であるFRBが作っていることの問題は、日本銀行にも多少あてはまるのではないかと思います。日銀は法律上は株式会社ではないですが、民間の出資は45%で株式市場で取引されています。

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