百醜千拙草

何とかやっています

メディアの終わりと恥知らず

2023-03-22 | Weblog
今月から新しいというか古い仕事をしていますが、これまでと違い、ストレスも少なく楽しい毎日で、おかげで愚痴をブログを書いてガス抜きをする必要がなくなりました。とはいえ、長年の習慣で論文やTwitterでニュースはフォローしております。ウチの研究分野は盛り返す兆候もなく右肩下がり、日本の未来は果てしなく暗いわけですが、地球ができて以来の歴史に比べれば、研究分野が興亡し、日本が栄えて滅亡したりするのも大海のさざ波のようなものなのでしょうか。

日本の政治は三流未満ですけど、日本の民間の人々は本当に優秀です。優秀な国民が、腐敗し切った政治のために、生活が脅かされ、安心して能力を発揮することができないというのは、日本のみならず世界の損失だと思います。

日本の政治腐敗がここまで深刻化したのも、日本人が政治に無関心なせいですが、これほどまでに自分の生活に直結する政治課題に興味を持たなくなった一つの原因は、日本が経済的成熟に達したころからの、スポーツ、セックス、スクリーンの3S政策で、メディアを通じて人々の刹那的快楽追求を煽り、政治的または社会的問題への関心を逸らせてきたからであろうと思います。加えて、日本の民主主義は民衆が勝ち取ったものではなく、敗戦後、アメリカによってもたらされもので、真に日本人の血肉になることはありませんでした。

テレビをつけると、野球と芸能ニュース、お笑いとグルメばかりで、5分と見ていられません。そんな中で、誠実に報道の役割を果たそうとしているキャスターもいて、テレビ会社の会社員という立場の制約の中で歯痒い思いをしているのも伝わりはするのですが、それを読み取れるほどテレビを見ている国民には余裕がないのが現状でしょう。

今回の高市の噴飯ものの答弁にしても、マスコミは当の被害者にも関わらず、ニュースキャスターは、この異常事態があたかも日常茶飯のことであるかのような他人事の報道をしています。だれでも己が身がかわいいでしょうが、首根っこを政権政党につかまれて本来すべき報道をしないのであれば、社会の木鐸とはとても言えません。いずれにしてもテレビも新聞も滅びゆく業界でしょうけど。

さて、週末のもう一つのニュースでは、石垣島に開設された自衛隊基地にミサイルが搬入されたということが報じられました。それに反対する地元人々を映しながら、アナウンサーは、このことが如何に島にとって、また日本にとって重大な意味を持つかというコメントもせず、まるで、一地方の桜が狂い咲きしたという程度のレベルの報じ方でサラッと流してお終いです。これでは、メディアは報道の仕事をしていないに等しいです。石垣島にミサイルが搬入されたということは、台湾有事の際にアメリカ軍が介入すれば、石垣島が真っ先に中国軍の攻撃対象になるということであり、自衛隊がアメリカ軍の下部組織として、石垣島を戦場にした米中戦争の手先に使われて殺されるということを意味しています。そのことを沖縄や石垣島島民なら、容易に想像できるのですが、本土の人間は理解できない。だからこそ、理解できない人に理解できるように伝えるのが報道の役割でしょう。しかし、沖縄に基地負担を押し付けて、都合の悪いことから目を背けたい自民党政権は、国民にはバカであって欲しいわけで、この問題を深く報道してもらいたくない。その意向に沿うように「忖度」を強制させられ、政権に屈して、プロパガンダ拡散装置、国民総白痴化装置、となりさがったのが今のメディアです。

そもそもこれは、アベが官房長官のころから、メディアを恫喝し圧力をかけてきたからです。ようやくアベが死んで、アベ政権の不正なメディアコントロールの証拠が出されたにも関わらず、アベの子飼いの高市、アベそっくりの嘘をついて自ら窮地を招いた挙句に、責任転嫁、アベそっくり。いまだに呆れ果てるような不誠実な答弁で悪あがきを続けるものだから、国会が幼稚園の学級会未満のレベルになっている。それは、間違いなくアベが作った先例、「幼稚でバレバレのウソをついてでも、自ら自分の非を認めなければ逃げ切れる」のせいです。究極の恥知らずでしょう。普通の成熟した大人なら恥ずかしくてできないこてですから。

民主主義先進国の外国の人がこの状況を見たら、日本の異常さに腰を抜かすでしょうね。近代民主主義国家で政府がこれほどまでに信頼できない国はそれほど多くないでしょうし。
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