青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

北越雪譜

2018年11月10日 17時00分00秒 | 飯山線

(おいこっと、栄村の秋を行く@信濃白鳥~平滝間)

平日であれば、9時台~お昼前まではガッツリとスジが開いてしまう森宮野原界隈ですが、土日はスカスカのスジを使って快速「おいこっと」が運転されます。どんくらいスカスカかって、飯山から十日町まで交換ナシで走れるくらいスカスカ(笑)。以前は午前中にも戸狩から十日町へ下る普通列車があったようなんですが、そこのスジに入っているのが現在のおいこっと。秋色に染まる、平滝のスノーシェッドを行く。


飯山線の臨時列車では、季節運転される「風っこ」や、日本酒の飲み比べが人気の「越乃Shu*Kura」に比べると、あまり乗車率の良いイメージのない「おいこっと」。春~秋にかけて運行回数も多いので、プレミアム感が薄いという事も影響しているのでしょうか。定期の普通列車を補完する快速列車がたまたま少し立派な車両で、ちょっとばかり特別料金を取られるという感覚に近いかもしれない。まあ快速と言っても速達性は皆無なのであるが。


奥志賀へ続く山並みを背に、横倉の集落をSカーブで抜けて行くおいこっと。山からの水を引き込むため、飯山線の線路の上に渡された樋がY-Yの形になっているのがここのアングルのアクセント。横倉には栄村唯一の小学校である栄小学校があり、平日の126Dや163Dでは通学シーンも見られるとか…


青空の森宮野原。まあなんだかんだ言っても本数の少ない飯山線戸狩以北にあって、午前中のいい時間帯に走ってくれる列車は貴重。以前の飯山線の臨時列車と言えば何はなくとも冬のスキー臨で、上野から急行妙高に併結された「快速戸狩スキー」や、小諸からの「いいやまスキーエコー」なんて列車が走っていました。


飯山線沿線でも、戸狩や野沢、ちょっと奥に行って木島平村の辺りは農業をしながら冬はスキー宿で生計を立てている人も多いと聞きますが、バブルをピークに日本のスキー人口は激減。いわゆる「シュプール号」なんてジョイトレが信越地区を跋扈していた時期は遠く過ぎ去り、昨今の流行はどちらかと言えばネイチャーツーリズム。平成の30年をかけて「私をスキーに連れてって」から「鈴木牧之」の世界へフェーズが移行したようである。「雪国観光圏」なんていう取り組みも、北信妻有を中心に広がっているらしい。

個人単位で、その土地のありのままを愉しむのが時代の流れ。
「おいこっと」のアテンダントが、一生懸命のおもてなし。
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