tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

率川神社のゆり祭り

2011年06月22日 | 記紀・万葉
6/17(金)、率川神社で「ゆり祭り」が営まれた。毎日新聞奈良版(6/18付)《優美、神秘的な舞 率川神社「ゆり祭り」》によると《奈良市本子守町の率川(いさがわ)神社で17日、「ゆり祭り」で知られる恒例の「三枝(さいくさ)祭」が行われ、約700人の参拝客が訪れた。1300年以上前から続く伝統行事で、ササユリを愛したと言われる媛蹈鞴五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)を慰霊し、疫病退治を祈願する祭り》。







媛蹈鞴五十鈴姫命は、神武天皇の皇后である。子は第2代天皇の綏靖天皇となった。《午前10時半からの神事では、ササユリの花約300本で飾った黒酒(くろき)と白酒(しろき)が神前に供えられ、鈴木寛治宮司が祝詞を奏上。優美な雅楽の音色が響く中、4人の巫女(みこ)が薄紅色のササユリを手にして神楽「うま酒みわの舞」を奉納した》。







この神社のことは、吉田さらさ著『神様と出会う 神社の旅 奈良編』(青林堂刊)に分かりやすく紹介されている。《創建は、推古天皇が即位した593年。平城京や春日大社より120年ほど古い、奈良市内最古の神社です。祀られているのは媛蹈鞴五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)と、その両親である狭井大神(さいのおおかみ)と玉櫛姫命(たまくしひめのみこと)》《狭井神社に祀られるお父君の狭井大神は、名前は違っても、そのお隣にある大神(おおみわ)神社の大物主大神(おおものぬしのおおかみ)と同一の神様です。そういう事情で、遠く離れていても、ここは大神神社の摂社(せっしゃ)なのです》。


南都古社寺研鑽会・前会長の竹本啓哉くんも、行列に参加していた

《三枝祭(さいくさまつり)/この神社では、毎年6月16日から18日に、三枝祭という素敵なお祭りが行われています。媛蹈鞴五十鈴姫命の故郷、狭井川のほとりに笹百合の花が咲き誇っていたことから、酒樽に笹百合の花を生けて、姫神様に喜んでいただくお祭りが始まりました。使われる笹百合は、6月16日に大神神社を出発し、JR桜井線の電車に乗せて奈良駅まで運び、この神社まで届けられます》。


媛蹈鞴五十鈴姫命に扮したのは、今泉明子さん(奈良女子大学4回生 トップ写真とも)



この献納行事は、以前Mattyさんが書かれていたように、桜井市の豊年講の皆さん(往年の美少年)が担当されていて、もともと大八車で運ばれていたものがトラックに変わり、それが4年ほど前からJR(ゆり列車)になったということである。




銀とき子さん(右端)と五十嵐さんにもお会いした

6/17は、午前10時半から祭礼(三枝祭)が営まれ、午後1時15分から、七媛女(ななおとめ)、ゆり姫、稚児による巡行がある。お昼休み時間に神社にお参りすると、たくさんの知人と出会った。奈良新聞(6/18付)によると《午後は媛蹈鞴五十鈴姫命などにふんした七媛女(ななおとめ)や稚児ら約200人が近鉄奈良駅周辺の商店街を練り歩いた。媛蹈鞴五十鈴姫命の役を務めた奈良女子大学4年、今泉明子さん(21)は「身の引き締まる思い。伝統が受け継がれてきたことを実感できました」と話していた》。



ひと口に「1300年以上続く伝統行事」というが、これはスゴいことだ。しかもお祭りしているのが初代天皇のお后なのである。徒歩で桜井市から奈良市までササユリを運ぶのも、大変なご苦労だったことだろう。全く、奈良の祭りは「奈良の秘めたお宝」である。
コメント
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