昨日(12/21)、NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、奈良ロイヤルホテルで「奈良まほろばソムリエの会 2013 納会Jを開催した。Ⅰ部・Ⅱ部には約120人、Ⅲ部には約60人が参加した。スケジュールは、
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小北博孝理事長の冒頭挨拶
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司会・進行は大山恵功理事
Ⅰ.会員による研究発表会(13:00~)
(1)「奈良時代の建築の変遷~法隆寺・薬師寺・唐招提寺の比較~」加藤英之
(2)「食の文化史~祝!『和食』世界遺産登録~」鉄田憲男
(3)「入鹿の首塚を考える」露木基勝
Ⅱ.雅楽・舞楽公演(天理市の雅楽集団「雅房」による 16:00~)
雅楽「越天楽(えてんらく)」と舞楽「蘭陵王(らんりょうおう)」
Ⅲ.懇親会(17:00~)
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加藤英之さんの「奈良時代の建築の変遷」
第Ⅰ部の研究発表会(Power Pointを使った講話)は、それぞれ発表者の個性あふれる講話だった。愛知県刈谷市からお越しの加藤英之さん(米国公認会計士)は、綿密な写真取材により、3ヵ寺の柱や組物などの違いを詳しく考証。
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私は「食の文化史」
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露木基勝さんは「入鹿の首塚を考える」
私は今月、ユネスコの無形文化遺産に登録されたばかりの「和食」の歴史について、再現写真を交えながら楽しく解説。露木さん(医師)は、大胆な推理により、目からウロコの蘇我入鹿「首塚」伝説と、ゆかりの地を紹介された。
第Ⅱ部の雅房さんによる雅楽・舞楽は、鳥肌の立つような素晴らしい公演だった。雅楽は世界最古の「オーケストラ」「エンターテインメント」といわれ、世界遺産登録されている。アジア諸国からもたらされた音楽や舞に、上代以前から伝わる音楽や舞が融合し、日本化した舞台芸術だ。10世紀頃に大まかな形態が成立し、今日まで伝承されている。
春日大社の「おん祭り」などでなじみのある雅楽・舞楽の著名な演目を目の前で演じていただき、また詳しく解説もしていただき、これは良い経験になった。第Ⅲ部では、奈良ロイヤルホテルさん特製のビュッフェ料理をいただいた。
第Ⅰ部の様子は、今朝(12/22)の
産経新聞奈良版でも、大きく紹介された。見出しは「日本の食文化 変遷紹介 まほろばソムリエの会が研究発表」。
県内の歴史や文化の情報を発信しているNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」が21日、奈良市内のホテルで研究発表会を開いた。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された「和食」の魅力などを、奈良の伝統料理にも触れながら紹介した。発表会には会員ら約120人が参加した。
会の専務理事の鉄田憲男さんは、ユネスコの無形文化遺産に登録された和食にちなみ、「食の文化史」について発表した。「日本料理は6変化」として、飛鳥時代に登場し、現在も春日大社(奈良市)などで食べることができる日本初の料理様式とされる神饌(しんせん)料理などを紹介。平安時代末期以降、豆腐やゆばなどの料理技術が飛躍的に発展した精進料理や、現在の和食の礎とされる江戸時代の会席料理など、日本の食文化の変遷を解説した。
鉄田さんは「和食は飛鳥時代から連綿と続いており、食は文化を表わす。遺産登録を機に、日本の文化を発信してきたい」とした。発表会の後は、天理市の雅楽専門店「雅房」のグループが雅楽「越天楽(えてんらく)」や舞楽を披露。会場は優美な雰囲気に包まれた。
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和気藹藹(わきあいあい)と、懇親会がスタート
ヤマトナデシコ七変化ならぬ「日本料理は6変化」とは、日本の料理様式が①神饌料理(神に供える)→②大饗料理(平安貴族の料理)→③本膳料理(武士の料理)→④精進料理(禅宗寺院で発達)→⑤懐石料理(=茶懐石。茶の湯で提供)→⑥会席料理(江戸時代。日本料理の完成形)と変化してきたことを表す。
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1日の締めは、北田良嗣副理事長
あとでアンケート用紙を見ると「懐石料理と会席料理の違いがよく分かった」「おせち料理のルーツが本膳料理で、それが江戸時代の享保期に完成したとは、初めて知った」「和食の歴史が連綿と続いていることに、驚いた」という感想が書かれていた。
それにしても、バラエティ豊か、楽しさいっぱいの「2013納会」であった。お世話いただいたNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」の大山理事はじめ「啓発グループ」の皆さん、理事の皆さん、発表者の皆さん、有難うございました!